東日本大震災では大津波が押し寄せ、大切なものを全て奪っていきました。津波による死者は15,270名、行方不明者は8,499名。全壊した家屋は約10万棟でした。津波の威力は桁違いです。ジェット機並みと言われる速さで、一気に陸を駆け上ります。津波の高さが1mでは、致死率が100%だと言われています。津波を確認してから逃げても、到底逃げ切れるものではありせん。津波によってどのような被害が出るのか、どれほど津波が恐ろしいものなのか今一度考えてみませんか。
津波の怖さ
潮が引いてから発生する津波と、前触れなく突然襲ってくる津波があります。地震の揺れがそれほど大きくなくても、津波が発生する可能性はあるのです。津波の速さはジェット機に匹敵すると言われています。沖合では時速800km、海岸付近では時速40km。海が深い程速くなります。津波を確認してからでは、到底逃げ切れないでしょう。
津波の破壊力は桁違いです。仮に津波が高さ1mでも場合によっては、10倍の高さまで陸を駆け上がります。そして自動車や建物、人を次々とさらっていくのです。特殊な地形の場所では、波が集中することがあるのでより注意が必要です。繰り返し押し寄せたり、始めより後からくる津波の方が高いこともあります。
津波による被害について
津波による被害は様々です。人的被害の被害形態は溺死や怪我、病気、家屋被害では破壊、浸水、家具等が発生します。他にも水道や電力、通信、下水道機能障害等のライフライン被害、農業被害、水産業被害、商工業被害、火事等、広範囲にわたって被害が生じます。
津波による死亡者が発生するのは、津波浸水深さが0.3m以上、1m以上では死者率が100%だと言われています。国土交通省によると0.2m以上、1m以下の津波の高さの場合、海の中では人が速い流れに巻き込まれます。小型船舶は転覆するでしょう。
津波の高さが1m以上3m以下では、人は津波の流れに巻き込まれ、浸水被害が生じるところがでてきます。3m以上の高さでは木造家屋の全壊、流出が生じます。家屋被害に関しては木造家屋の場合浸水1mで部分破壊が始まり、2mで全面破壊します。
今後30年以内に発生する可能性が高いとされる日本海溝・千島海溝地震では、津波によって約19万9,000人の人が命を落とすと想定されています。
また、今後想定されている津波に対する危険地域は複数あります。どの地域も切迫度が高いでしょう。30年以内の発生確率が90%となっているのが三陸沖北部(M7.1~7.6)、茨城県沖(M6.7~7.2)の地域です。70%の発生確率となっているのが根室沖(M7.8~8.5程度)、南海トラフ(M8~9級)、相模トラフ沿い(M6.7~7.3程度)の3つの地域です。
60%の発生確率の危険地域は、色丹島沖及び択捉島沖(M7.7~8.5前後)、50%の危険地域は三陸沖南部海溝寄り(M7.2~7.6)と言われています。
津波から身を守るには
先述した通り、津波は強い威力を持ちます。津波が襲来する可能性がある地域にいる場合は、地震の揺れを感じたら速やかに安全な場所まで避難しましょう。とにかく逃げて身の安全を最優先することが大切なのです。避難する際は、可能な限り歩いて避難します。浸水し始めたら、できるだけ高い場所にあがりましょう。絶対に海の様子を見に行ってはいけません。
まとめ
・津波は潮が引いてから発生するものと突然襲ってくる津波がある
・津波の速さはジェット機に匹敵する
・津波の破壊力は桁違い
・津波の被害は人的被害、家屋被害、ライフライン被害等広範囲にわたる
・津波の深さが1m以上で死者率が100%
・津波が襲来する可能性がある地域の人は速やかに安全な場所まで避難する