東日本大震災は、津波によって多くの犠牲者・行方不明者が発生しました。
津波はとても怖い災害です。気象庁は、津波の襲来が予想されるときに大津波警報・津波警報・津波注意報を発令し、避難や注意を呼びかけています。津波警報が発令されたときは、どのような行動を心がければよいのでしょうか。
津波警報が発令されたときの行動
津波はとても速いスピードで襲ってきます。水深が深い場所では飛行機並みの速度で進みます。陸地に近くなるにつれて速度は落ちるものの、それでも時速40キロ程度で襲来します。この速度は車と同じスピードなので、津波が目前に迫ってから逃げたら間に合わず、あっという間に飲み込まれてしまいます。
津波警報・注意報が発令されたら、すぐに避難をしてください。避難するときは遠くに逃げることよりも、「より高い場所に逃げること」を目標にします。津波避難場所・津波避難ビル・高台などを目指して逃げましょう。
津波は、川の河口から上流に向かって数十キロ逆流することがあります。川沿いや川の側に避難することはやめましょう。また、海から離れている場合であっても、川沿いにいるときは、ただちに安全な場所に避難をしてください。
警報が発令される前から迅速な避難をしよう
津波警報・注意報は地震発生から3分で発令されますが、場所によっては警報・注意報が発令されるよりも早く、津波が到達することがあります。「警報が出ていないから大丈夫」と考えるのではなく、いち早く避難をすることで命を守りましょう。特に、沿岸部や海の側など危険な場所にいる場合は、揺れがおさまり安全が確保でき次第、高いところへ避難をしてください。
解除されるまで避難を続ける
津波は繰り返し襲ってきます。また、最初の津波(第一波)が最も大きいわけではなく、第二波以降の津波が第一波よりも大きくて威力が増している場合があります。津波警報・注意報が解除されるまでは、安全な場所で避難を続けてください。
避難をしている最中は不安な気持ちになったり、家族の安否や家の様子が気になったりすることもあるでしょう。しかし、絶対に戻ってはいけません。戻ったことによって犠牲になった方が過去にいらっしゃいます。「自分一人でも逃げて命を守ること」「絶対に戻らないこと」を何よりも優先し、警報が解除されるまで避難を続けてください。
日頃の備えを心がけよう
津波警報が発令されたときにすばやく行動するためには、日頃から十分な備えをしておくことも大事です。ハザードマップを確認し、自宅・会社・通勤通学経路上にある避難場所・高台をチェックしておきましょう。また、避難場所までの避難ルートも考えておいてください。避難ルートは複数想定しておくと、一方のルートが通れなかったときにもう一方のルートで避難をするなど、柔軟な避難行動を取ることにつながります。
地域や会社で行う防災訓練にも積極的に参加しましょう。避難時に取るべき行動について実際に体験しておくことは、いざというときに正確な判断をすること・迅速な行動へと移すことに役立ちます。
まとめ
・津波警報・注意報が発令されたら、すぐに津波避難場所・津波避難ビル・高台に逃げる!
・津波警報が出ていなくても、揺れがおさまって安全が確保できたらすぐに避難をする
・警報・注意報が解除されるまで避難続け、絶対に戻らない
・日ごろから避難場所や避難ルートを確認しておく
・防災訓練に参加しよう
参考サイト
◆政府広報オンライン 「緊急地震速報」と「津波警報」等 いざそのとき、身を守るために!
◆気象庁「津波から身を守るために」