東日本大震災では、津波によって多くの方が亡くなりました。震災から11年を経ようとしている今、津波の怖さについて理解を深めておき、いざというときに命を守る行動を取ることができるようにしておくことが大切なのではないでしょうか。
前触れなく襲ってくる
「津波がくる前には潮が引く」と言われていますが、必ずしもそうではありません。津波は引き波で始まるものもあれば、いきなり大きな波が押し寄せてくる(押し波で始まる)こともあるのです。つまり、潮が引くことを目安に避難をしたら、逃げ遅れることがあるということです。
津波は突然・前触れもなく襲ってくることを念頭におき、津波注意報・津波警報が出たときは、速やかに避難を開始しましょう。海岸付近にいる場合・住んでいる場合は、津波注意報・警報が発令される前に津波が押し寄せることもあります。揺れがおさまったらすぐに安全な場所に避難をしましょう。
はやい速度で襲ってくる
津波がどれくらいの速度で襲ってくるか知っていますか?水深5000メートルの場所では時速800キロメートルで、ジェット機と同じ速度で進みます。水深500メートルのところでは時速250キロメートルで、新幹線なみの速度で進みます。陸地に近い水深10メートルのところでは、時速36キロメートルで進みます。だいぶ速度が落ちているように思えますが、それでも車と同じスピードで迫ってくるので、走って逃げ切ることは難しいでしょう。
津波は遠くに見えていても、ものすごい速度で押し寄せてきます。命を守るためには、できるだけ早く、そして全速力で逃げることが大事です。揺れがおさまって安全が確認できたら、速やかに避難を開始します。そのためには、避難場所と避難ルートを決めておくことも必要です。
ものすごい威力を持っている
津波は海底から海面までの、ものすごい量の海水がかたまりとなって一度に押し寄せてきます。家屋を破壊し押し流すほどのすさまじい威力を持っており、東日本大震災では多くの家が一瞬で飲み込まれました。
ハザードマップで自宅が津波の被害想定区域に入っていないかどうかを確認するとともに、自宅付近の安全な避難場所をチェックしておきましょう。
津波は複数回襲ってくる
津波は一回(第一波)だけとは限らず、第二波、第三波…と複数回襲ってくることがあります。また、第一波が一番大きいというわけでもありません。場所によっては、地震から数時間後に最大の波が押し寄せるケースもあるのです。
「第一波が到達したから大丈夫」などと考えてはいけません。津波注意報・警報が解除され、安全が確認されるまでは避難を続けましょう。
命を守るための行動―すばやい避難、安全が確認できるまで戻らない―
津波は「前触れもなく」「はやい速度で」「ものすごい威力」を持って襲ってきます。繰り返しになりますが、命を守るためには、すばやく避難をすることが大事です。揺れがおさまって安全が確認できたら、速やかに避難を開始してください。
避難をするときは、「より高い場所」を目指しましょう。ハザードマップで付近の「津波避難所」「津波避難ビル」を確認しておいてください。
津波は複数回襲ってきます。命を守るためには、逃げたら戻らないことも重要です。戻って津波に飲み込まれてしまったら元も子もありません。津波警報が解除され、安全が確認されるまでは、避難を続けましょう。
自分の命は自分で守る――。そのことを実践することにより、一人でも多くの方が助かるようにしたいですね。
まとめ
・津波は引き波から始まるとは限らず、前触れなく襲ってくることもある
・すさまじいスピードで襲ってくる
・家屋を一瞬で押し流すほどの、すさまじい威力を持っている
・繰り返し襲ってくる
・第一波以降に最大波が襲ってくることもある
・速やかに安全な場所に逃げる
・逃げたら戻らない
・避難場所と避難ルートを確認しておく
参考サイト