水害に限ったことではありませんが、人間は大自然の力の前では無力です。もちろん治水工事などを行ってそのリスクは下げられてはいます。しかしそれでも、圧倒的な自然に対して、「こうしていれば絶対に安全」というようなことは言えません。
このため災害が起きた際には、災害に対して「立ち向かう」のではなく「逃げること」が最善の方法となります。
ここでは、避難のタイミングについて見ていきましょう。
避難のタイミングの指標となるもの
「正しく知ろう! 「警報・注意報」の種類」では、警報と注意報の違い、そして川のはん濫状況について見ていきました。
これとあわせて考えていきたいのが、「避難勧告などの種類」です。
避難を呼びかける段階については、下記の3つに分けられています。
①避難指示
②避難勧告
③避難準備
番号が若いものがもっとも緊急性が高いものです。
どのタイミングで逃げるのか
では、どのタイミングで逃げればよいのでしょうか。
まず、「避難指示」というのは非常に危険な段階だと知っておかなければなりません。このときにはすでに災害が発生しているもしくはすぐにでも災害が発生する、ということを知らせるものです。水門などがきちんと働かなくなっている状態にあることがわかったときも、この「避難指示」が出されます。
避難指示が出された場合は、もちろん避難をしなければなりません。しかしこの段階まで待っていると、危険がまさに真後ろに迫っている状態に陥ってしまいます。このため、実際には「避難指示」が出される前に避難しておくことが望ましいと言えます。
「避難勧告」は一つの判断基準となるものです。
この段階のときには、可能ならば自主判断で避難をするようにしてください。また最低でも、「避難指示」にうつったときのことを考えて、避難するための準備はしておかなければなりません。
「避難準備」はまだ比較的危険度の低い段階です。
ただ、これは「安全であること」と同意味ではありません。特に、足腰の弱いご年配の方はこの段階で避難を開始した方がよいでしょう。
水害においてもっとも怖いのは、「逃げ遅れ」です。
避難は早すぎるということはありません。
まとめ
・避難の段階は、「避難指示」「避難勧告」「避難準備」に分けられる
・避難指示がもっとも緊急性が高い
・この段階になってから逃げようと考えるのではなく、「避難勧告」の時点で自主的に逃げることも考慮に入れておくべき
・「避難準備」が出た時点で、ご年配の方は避難するようにするべき