「風が吹いても痛みが走る」ということから名付けられたとも言われている「痛風」。この痛風もまた、「季節」と関わりがある病気だとされています。
どんな環境で発作が起きやすい?
痛風は、「気温」によって左右される病気だと言われています。最高気温が11.7℃以下の場合に比べると、26.7℃~30.0℃までの場合は1.4倍に、30.5℃~40.5℃の場合は2倍にまで発症リスクがあがると言われています。
「尿酸は、低気温で結晶化しやすい。夏場の悪化は、汗をかくことによって尿量が減少してしまう。このため、尿酸をうまく排出できなくなり、痛みが走るのだ」とする説もあります。
この2つを合わせて考えると、「秋」という季節は、寒すぎもせず暑すぎもしないため、痛風が起こりにくい環境であるかのように思われます。
しかし秋の初めのころは、真夏の同じくらいの気温をマークすることもあります。加えて食事がおいしくなる季節でもあるため、高リスクとなりうる食べ物(秋刀魚の干物など)をとってしまいがちな季節でもあります。
このため、秋であっても決して油断することはできないのです。
痛風の原因とは
では、痛風はどのようなことが原因で起こるのでしょうか。
痛風という病気に深く関わるキーワードに、「尿酸」があります。これは通常は尿と一緒に排出されるものなのですが、あまりにも多すぎると処理をしきることができなくなります。この尿酸を「異物だ」と感じ取った白血球がこれを攻撃するため、痛みがもたらされるのです。
では、尿酸は何が原因で作られるのでしょうか。
これには、「プリン体」が関わっています。プリン体自体は有害なものではなく、私たちの体を動かすために役立つものです。ただ、これが分解される際に燃えカスが生じます。この燃えカスを「尿酸」と呼んでいるのです。通常は尿によって排出されますが、尿酸が多くなりすぎたり、排出がうまくいかなくなったりすると、痛風が起こります。
プリン体は体内で作られますが、食品にも含まれます。そのため、プリン体の多く含まれた食べ物を避けるようにすれば、予防と改善に繋がります。また、運動や水分の摂取も効果的です。
痛風は一朝一夕で治るものではありませんが、予防と治療を継続すれば、改善は見込めます。
まとめ
・痛風は気温の変化に影響を受ける
・一年を通して見られる病気ではあるが、秋口でも起こりやすい病気
・痛風は尿酸がうまく排出されないことによって起こる
・非常に痛いが、予防や治療を続けることで改善が見込める
参考サイト
◆逓信病院:「痛風基礎知識」
◆あかね会:「痛風とは」
◆日経メディカル:「痛風発作は高温・多湿で起きやすい」
◆三和化学研究所:「激痛!痛風を予防する」