日本は非常に地すべりが起きやすい土地です。日本の土壌自体が滑りやすいものであることに加え、梅雨や台風などによって地下水の量が増すこともよくあるからです。
「自分が今立っている地面」が動いて滑っていく図などまったく想像ができない、という人もいるかもしれませんが、実は、このような土砂災害は日本全国で頻々に起こっています。1年間で1000件程度と、1日に3件程度も起きています。また、67万区域が、土砂災害の可能性がある場所であると考えられ得ています。
では、このような地すべりが起きた場合、私たちはどうすればよいのでしょうか。
「土砂災害が発生したとき」にできることは多くない
多数の死者を出したこともあり、国では、地すべりをとめるためのさまざまな工事をしています。これによって、昔は非常にリスクが高く、実際に事故が起こっていた場所でも、安全に暮らせるようになっています。
ただ、これはあくまで「予防」の話です。
地すべりの恐ろしいところは、「一度始まってしまうと、止めることは非常に困難である」ということにあります。予防をすることはできても、それを止めることは難しいのです。
自分の身は自分で守るしかない
自然の力の前に、人間は無力です。
そのため、地すべりが起きたときに私たちができるたった1つのことは、「その場から逃げる」ということです。もちろん、「地すべりが起きにくい場所」に住むのが一番の理想ですが、最低限、「自分の住んでいるところはリスクが高いところかどうか」は把握しておきましょう。
また、雨が降り始めたら、土砂災害警戒情報を聞き、警戒するようにします。テレビがつけられなくても、現在はインターネットなどでも確認できるようになっています。
また、警戒情報が出されたら、その場にとどまることはせず、避難をしましょう。なお、地すべりの被害を受けやすい家というのもあって、それが「木造の1階」です。このような家に住んでいる人は特に注意しなければなりません。
「病気の人がいるので動かせない」「長い距離は移動ができない」ということであれば、せめて2階にあがるようにしてください。
また、「前兆」にもご注意を。前兆が必ず起きるとは言えませんが、地すべりの場合、「がけなどから、突発的に水が吹き上げる」「今まではきれいだった水が濁る」などの前兆が現れるケースがあります。このような場合は特に気をつけましょう。
まとめ
・土砂災害は非常に起こりやすい災害である
・一度始まると止めるのは困難
・地すべりが起きにくい土壌を選ぶ。それが難しければ、情報の収集に努める
・警戒情報が出たら避難を
・前兆がでることもある
参考サイト
◆国土交通省「砂防」
◆政府広報オンライン「土砂災害のおそれのある区域は全国に約67万区域!土砂災害から身を守る3つのポイント」
◆梅雨時に気を付けたい事(その5) 地すべりはどうして起こる?そのメカニズム