「受け子」とは、振り込め詐欺などの犯罪において、「お金を受け取る役目」を担う人間をいいます。自分自身が直接人をだますアクションをとらないことも多いため、犯罪意識が希薄であるケースも見られ、人によっては純粋に「単なるアルバイトだった」と思ってこの受け子の役目を負うこともあります。
しかしこれは非常に重い罪が課せられる役目なのです。
受け子に課せられる刑罰

受け子は、「自分自身が被害者をだましたわけではないから、刑罰も軽いだろう」と思うかもしれません。また、「捕まっても罰金を払えばいいだろう」と思う人もいるでしょう。
しかし実はこれは「詐欺罪」にあたるため、非常に厳しく罰せられます。罰金で償える罪ではなく、有罪と判断されれば10年以下の懲役刑が課せられます。さらにこれは、「事前に事件が発覚し、未遂に終わった」という場合でも同様であり、少し量刑が軽くなる程度だと言われています。
裁判の実際について

なかには本当に何も知らずに、ただの高額のアルバイトだと思って受け子を務めていた人もいるかもしれません。しかしこれを裁判で通すのは非常に難しく、「少なくても勘付ける状況にあっただろう」と考えられるのが普通です。このように判断されれば、当然詐欺罪に問われることとなります。
ただ、裁判においては、「犯罪をした状況」「犯罪をした者の過去の犯罪歴」も見られることになります。
そのため、初犯で、かつ最初の1回で捕まったという場合は、執行猶予がつき、服役を免れることもあります。しかしこれも前科は当然つきますし、再び犯罪をした場合は非常に厳しく罰せられることになります。
また、執行猶予がつくのは3年以下の懲役刑に限られます。
「1回目の犯行」よりも、「再犯」の方がより厳しく罰せられます。詐欺行為をいくつも働いていたという場合は、刑罰の上限も1.5倍にまで引き伸ばされますし、再度の犯罪で執行猶予判決を得ることは非常に難しいといえます。
「未遂だったから」
「自分自身は積極的に被害者をだましたわけではないから」
「詐欺事件だと、はっきりとわかっていたわけではないから」
このような言い訳は通用しないのです。
まとめ
・現金を受け取る役目である「受け子」も、詐欺罪として裁かれる
・罰金刑はなく、懲役刑となる
・状況によっては執行猶予もつくが、再犯の場合は特に厳しく見られる
・「知らなかったから」というのが通用する可能性は低い
参考サイト
◆警察庁:「被害に遭わないために」
◆刑事事件弁護士ナビ:「受け子で逮捕されたら初犯でも実刑?」
◆相談LINE:「オレオレ詐欺の受け子とは知らず、高時給に釣られいつの間にか犯罪の加担者!?知らなかったで済まされる?」