みなさんは、首に巻くタイプの赤ちゃん用の浮き輪で重大な事故が多発していることをご存知でしょうか?赤ちゃん用の浮き輪はプレスイミング用なのですが、お風呂の中で使い方を誤ったことが事故を起こす原因となっています。
たしかに、まだ立っちができない赤ちゃんと一緒にお風呂に入るのは大変です。赤ちゃんが浮き輪をして温かい湯船の中で待っていてくれると、親の負担はグッと減るものかもしれません。
しかし、大人のほんの少しの油断が赤ちゃんの命を奪う事態につながってしまうことを忘れてはいけません。赤ちゃん用の浮き輪は使用上の注意をよく読み、正しい方法で利用する必要があります。
そこで今回は、赤ちゃん用の浮き輪の危険性と事故を防ぐ対策についてご紹介いたします。
赤ちゃん用浮き輪によるお風呂事故の実態とは

まずは、事故の実態について見ていきましょう。
消費者庁では、平成24年7月27日に首に巻くタイプの赤ちゃん用浮き輪による事故について注意喚起しました。しかし、そのあとも1歳未満の乳児の事故が6件起きてしまったことで、平成26年10月9日に再度注意喚起が行われたのです。
詳しい事故内容を見てみましょう。
・首回りが苦しそうだったので空気を少なく入れてしまったことで、浮き輪が沈んで溺水
・浮き輪の空気が漏れていて溺水
・留め具が外れたり、付け忘れて使用してしまい溺水
どのケースも親がすぐに気がついて抱きかかえたので一命を取り留めていますが、救急搬送され入院となった乳幼児も多くいます。
事故が起きる要因は、赤ちゃんが楽しそうにしていたのでそのまま放置していたり、そもそも事故が起こるとは思わなかったという親の注意不足と言えます。そしてその油断により、1分間程度目を離した隙にチアノーゼを起こし、湯船にうつ伏せで浮いていたのです。
赤ちゃん用の浮き輪の使用方法を間違えば、誰でもこうした事故を起こす可能性があります。たとえ機嫌が良くても、赤ちゃんから目を離さないようにしましょうね。
赤ちゃん用浮き輪の事故を防ぐ対策について

SNSでも、お風呂の最中に赤ちゃん用浮き輪を使用すれば楽だというコメントは多くあります。赤ちゃんとのお風呂で負担を感じている人からすると、魅力的な商品に思えますよね。
しかし、首に巻くタイプの赤ちゃん用浮き輪の本来の使用目的は、プレスイミング用です。商品説明にも記載されていますが、一瞬たりとも赤ちゃんから目を離してはいけません。要するに髪や体を洗うときに、浮き輪を使用した赤ちゃんを放っておいてはいけないということです。親の負担軽減のために、お風呂で浮き輪を使用するべきではないと言えるかもしれません。
事故状況を見ても、ほんの少しだけだからと目を離した隙に溺水事故が起きています。乳児は未熟なので、鼻や口が5分以上水に浸かった状態になれば重症度が高い障がいか、最悪の場合死亡する危険性があります。使用するときは、危険性についてよく知り、絶対に油断してはいけません。
他にも、赤ちゃん用浮き輪を使用するときは、使用上の注意をよく読み、適切な空気量を入れ、ベルトがきちんと留められているかを確認しましょう。また、足を伸ばしたときに底につく程度の水量にすることも大切なポイントです。
赤ちゃんはお風呂の中で、自分の身を守る術を知りません。親の油断が命に関わることを十分に知っておく必要があります。
まとめ
・赤ちゃん用の首に巻くタイプの浮き輪はお風呂用ではない
・一瞬でも目を離すことが命取りとなる
・使用上の注意をよく読み、適切な使い方をすることが必要