2016年12月4日、福岡県福岡市博多区の病院にタクシーが突っ込んでしまう事故がありました。
お見舞いに来ていたご夫婦と入院患者の3名が亡くなり、20代の女性1名が意識不明の重体、男女6名が軽傷を負いました。
お見舞いに来ていたご夫婦は小学2年生の娘さんと一緒でしたが、少し遠くで遊んでいたため無事だった娘さんを残して両親ともに亡くなってしまうという、たいへん痛ましい事故でした。
近年は小学生の列に自動車が突っ込み幼い命が失われるという事故が立て続けに起こっており、ドライバーの安全運転に対する心がけが注目されていました。
悲劇を繰り返さない為にも、安全運転を行うための注意点をまとめてみました。
1. アクセル位置の確認
意外に多いペダル踏み間違い事故
福岡市の病院で起こった事故では、現場にブレーキ痕が一切確認されていない事が分かっています。
事故車のブレーキには異常がなく、ブレーキを踏むどころか急加速して病院に突っ込んでいる事から、ブレーキとアクセルの踏み間違いが疑われています。
「自分は大丈夫」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、その思い込みは危険です。
ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる事故は、日本国内だけで年間7,000件も発生しています。
(出典:日産自動車・ペダル踏み間違い事故軽減技術)
また財団法人「交通事故総合分析センター」によると、ペダル踏み間違え事故は他の原因による事故の平均値に比べて運転手が死亡するリスクが約17倍も高いそうです。
(出典:交通事故総合分析レポート・2010年86号)
運転に慣れていても油断せずに、アクセルやブレーキを踏む時は間違えないように踏む様にしましょう。
2. ブレーキ点検
運転前の点検を欠かさずに
自動車が安全に止まる為には、当然のことながらブレーキがしっかりと効く事が重要です。
普段から車に乗っていると、ブレーキの踏み込みを深くしないと効きが悪くなっていると感じられる事があります。
普段から、どれだけ踏み込めば車を止められるか意識しながら運転する様にしましょう。
乗車前にはブレーキオイルの減り具合を確認する事も大切です。
車体の下に油のシミが出来ている時はブレーキオイルが漏れ出している可能性があるので、早めに点検へ行きましょう。
3. ウィンカーの確認
周囲の安全の為に
ウィンカーは車の右左折を知らせる重要な装置です。
特に狭い交差点では自動車の動きが事故に直結する場合が多く、周囲の人々も車がどちらに動くのかを知る事によって、巻き込み事故を防止できる可能性があります。
運転前に可能であれば同乗者へ頼んで、ウィンカーが正常に点灯しているか確認して貰う様にしましょう。
故障している状態で運転すると整備不良として警察に指導を受ける事にもなるので、早めに整備工場などへ持って行く事をオススメします。
また片方のウィンカーが球切れした場合、点滅速度が速くなるので運転中でも注意深く確認すれば発見する事ができることがあります。
4. 充分な休息
寝不足・疲れは事故の元凶
年末年始になると遠方の故郷へ帰ったり、観光地で年越しする為に長時間運転したりする事があるかと思います。
明るいうちに走れればまだ周りが確認しやすいため良いでしょうが、事情によっては夜通し走らなくてはならない事もあるでしょう。
しかし、充分な休息を取らずに運転を続ける事は絶対に避ける必要があります。
睡眠不足や長時間の運転による集中力不足の状態は思わぬ操作ミスに繋がり、重大事故を引き起こしかねません。
運転に慣れている大型トラックや観光バスのドライバーでも疲労による事故を引き起こしているので、長時間運転を行う際には途中で休憩するパーキングエリアを決めておき、適度に休息を入れながら走る様にしましょう。
5. ファンベルトの異音に注意
切れることがままある消耗品
最近の車はファンベルトが切れると電気系統・パワーステアリングなどが作動しなくなる場合があります。
防仁学編集部員の経験では実際にファンベルトが切れた時、車の下部で「バタバタ」という音がしはじめて、様々な警報灯が点灯し、ブレーキの効きが悪くなりました。
走行距離や保管状況によってファンベルトの交換時期は様々ですが、ブレーキやウィンカーと同じく定期的な点検が必要です。
ファンベルトが切れる徴候としては、「キュルキュル」という異音がエンジンルームから聞こえる事があります。
ファンベルトが切れた場合は、落ち着いて車を安全な場所に停めて、JAFなどに連絡しましょう。
車の機能が低下しているので、走行可能であってもそのまま運転を続ける事はやめましょう。
自動車は生活に欠かせない便利な道具ですが、同時に人を傷つける強力なエネルギーの塊である事も忘れないでください。
安全運転を心掛けて、家族と笑顔でドライブを楽しみましょう。
まとめ
・ブレーキの点検は必ず行おう。
・アクセルの位置を間違わない様に、慎重な操作をしよう。
・ウィンカーを点検しよう。
・長時間運転する時は充分な休息を取ろう。
・ファンベルトが切れたらすぐに走行を中止し、JAFを呼びましょう。