2016年6月16日に国土交通省は利根川を中心とした河川とダムで水の備蓄量が減りつつあり、渇水の危険性から10%の取水制限を行うと発表しました。
これは河川から水道にくみ取る水を制限するという事です。
7月28日の段階で、関東に送る水を貯める8つのダムの貯水量は貯められる量の55%しかなく、1992年~2015年までの23年間の平均と比較して63%の水量しかありません。
これは歴代でも1994年と2013年の記録に次いでワースト3位の記録となります。
どうして水不足が起きるのでしょうか?
また渇水・断水が起きたときはどう対応すれば良いのでしょうか?
その理由と対策方法について調べてみました。
水不足はどうして起こるの?
原因は自然現象だけではない
水不足が起こる主な原因は、当然ですが、雨が降らないことです。
雨の量が少ないと水をダムで必要なだけ蓄えられなくなります。
国土交通省の発表によると、関東地方では今年6月は過去の平均降水量と比較して88%しか雨が降っておらず、さらに7月に入ると27日の段階でたった64%しか降りませんでした。
この調子でいくとただでさえ水の消費量がピークを迎える夏場、8月には水不足が心配される……というわけです。
ただし、水不足は自然の要因以外にも原因がいくつかあります。
私たちが使う生活用水の消費量が増えていることも大きな原因の一つです。
さらに近年深刻なのは、関東地方(特に東京)に人口が極端に集中していることも水不足の懸念が頻発する一因となっています。
関東には4,100万人ほどの人々が生活していますが、それに対する年間の降水量は平均1,500ミリで、これを一人が使える水の量に換算すると年間1,300立方メートルになります。
全国平均では一人につき5,000立方メートルが使用できるとされているため、関東と他の地方では使える水の量になんと約4倍もの差があるのです。
このため関東地方では1割・2割程度の降雨量の不足でも、断水などが懸念される深刻な「水不足」状態に陥りやすいのです。
水不足に備えておきたい事
断水が起こったときの対策方法
自然が供給出来る水の量を消費が上回ってしまうと、渇水が起こり水の使用制限をしたり断水を行ったりする事になります。
そうなると水道から水が出なくなるので、給水車から配給して貰うといった不便な生活を強いられる事になります。
また大きな地震や台風などの災害でも断水が発生することはあり得ます。
そこで、断水などの制限が行われる前に備えておくと便利な事を紹介します。
まず「飲料水」の確保が重要です。
2リットルのペットボトル等を買いだめしておく事をお勧め致します。
冷蔵庫の中に常に水差しを用意しておくことも備えの一助となるでしょう。
夏場の断水は脱水症状を引き起こすことが懸念されますので、飲料水の確保は大事ですね。
水道が止まってしまうと飲み水にも困りますが、トイレが流れないのも困りますよね?
飲み水でなければ、他の方法で貯めておく事も出来ます。
普段からお風呂に入る方は、入り終わった後にすぐお湯を抜かずに水を貯めて置くと良いでしょう。
渇水が起こり断水されてしまった後に水を貯める事は不可能です。
水不足が起こりそうだと思ったら備える様にしてください。
手作業になり大変ですが、洗濯の際にバケツなどで水を風呂から移せば、節水にもなります。
また水道が使えない状態では手を洗う事も難しいので、ウェットティッシュ等を普段から用意しておくと便利です。
アルコールが含まれているものなら、消毒にも使えて衛生的です。
断水で衛生環境が低下し、食中毒などの病気を引き起こすこともあるのでご注意を。
ここまで断水になってからの対策をいくつか紹介しましたが、そもそも断水が起こる前に私たちが節水して、渇水が起こらない様にするのが一番良い対策方法です。
洗い物を行う時に水道を流したままにしない、歯ブラシの最中に水をこまめに止める…といった小さな心がけでも、沢山の人が心がけて行えば大きな節水になります。
夏場は暑くなり、冷たい水をついつい沢山使いたくなってしまいますが、みんなで水道が使えるように節水を心がけましょう!
まとめ
今年の6月・7月は降水量が少なかったため、特に人口の集中している関東地方で水不足が心配されている
- 断水や地震などの災害に備え、水の備蓄をしましょう
- 普段から節水を心がけましょう