夏の強い日差しを浴びていると、真っ青な海に飛び込みたくなりませんか?海水浴は暑い夏には欠かせないレジャーですよね。しかし海でのちょっとした油断が時に恐ろしい水難事故に繋がることがあります。海上保安庁の発表では平成26年だけでも255人もの方が水難事故で行方不明又は亡くなっています。
では、水難事故に遭わない様にするにはどうすればよいでしょうか?水難事故の原因と、防ぎ方を調べてみました。
こんな時に起こるよ!気をつけよう!
海岸で一番多い水難事故は泳いでいる時に発生しており、平成26年では276人もの方が事故にあっています。次に多いのは釣りをしている時の水難事故で、同じ年に273人が事故にあっています。
では、何が原因だったのでしょうか?何れの事故でも、一番多い原因は「不注意」が半数以上を占めます。例えば天気予報をしっかり確認せず、嵐に巻き込まれてしまったり、危険な場所で泳いでしまった様な場合です。事前準備がしっかり出来ていない時や、飲酒も水難事故の原因となりますので、レジャーを楽しんでいる時もルールを守り、天候の変化等に気をつけたいですね。
天気予報を確認しよう
どうしたら水難事故を防げるのでしょうか?海で泳ぐ時にどうすれば事故を防げるか調べてみました。
まず、必ず天気予報は確認して下さい。「先週見たら晴れだったから大丈夫!」と思う方もいるかと思いますが、海の天気は突然変わってしまいます。出かける直前にラジオやテレビで確認しておけば安心ですね。
泳ぐ前にはストレッチをしよう
目の前に海が広がり、熱い砂浜に足を下ろしたら、すぐにでも泳ぎたくなりますよね?でも、急に冷たい水に入ると体がビックリして、足がつってしまったり、体が上手く動かなくなってしまうので水難事故の原因となってしまいます。それを防ぐ為に一番有効なのが準備体操です。特に足の筋を伸ばすストレッチは入念にしましょう。泳ぐ時には普段使っていない場所の筋肉も使うので、面倒がらずに必ず行いましょう。準備体操をすれば、体が温められて水に入った時のショックを軽くする事が出来ます。学校の水泳の授業では必ず準備体操をやっていたと思います。今一度思い出しながらやってみて下さいね。
沖に出ると怖い?離岸流とは?
海とプールの一番の違いは波がある事ですよね。波は海岸に向けて打ち付けて来るように見えますが、逆に引き離す流れも存在する事はご存知ですか?
例えばお風呂で水を押すと、水が少なくなった場所へまわりの水が入り込もうとします。海も同じで、押し寄せた波が引いていく姿を見るのは楽しいものですが、浜辺で特定の箇所になると特に引いていく場所があります。そこが、離岸流と呼ばれる流れです。
離岸流は他の波と違って水面が荒れて見えるのが特徴です。たとえ遠目には穏やかに見えてもその力はとても大きく、気がついた時には沖へ流されてしまいます。昭和30年に起きた三重県の橋北中学校集団水難事故では36名の女子生徒が離岸流に引き込まれて亡くなっています。
では、離岸流に巻き込まれない為にはどうすればいいのでしょうか?
一番確実な対策としては、遊泳禁止区域では絶対に泳がない事です。また、ライフセーバーの方が監視している様な、しっかりとした海水浴場を選ぶようにしましょう。万が一巻き込まれた時は、海岸線と並行に泳いで下さい。流れに逆らっても、人間の力ではとても泳ぐ事は出来ません。しかし、流れに対して横に逃げる事は出来るので、一度離岸流から離れて浜辺へ向かう波に乗って戻るのが良いでしょう。離岸流の幅は10m前後しかない事がほとんどなので、横に泳げば比較的簡単に脱出出来ます。
クラゲに気を付けよう
夏の海に行くと、足が真っ赤になって痛そうにしている人を見かけませんか?クラゲに刺された経験がある人は、その辛さが分かりますよね。
では、万が一クラゲに刺された時はどうすれば良いのでしょうか?クラゲの種類により毒性は異なりますが、共通する対応方法を調べました。
まず真っ先に、刺された場所から離れて浜辺に上がりましょう。痛みでパニックになる事もあると思いますが、深呼吸をしながら離れましょう。もし浜辺まで泳げないと思ったら、すぐに助けを呼ぶ事も大切です。恥ずかしく思う事はありませんから、思いっきり叫びましょう。
浜辺に上がっても、何もしないと痛いままですよね。クラゲに刺されると、触手が残っている事が多くあります。でも、くれぐれも素手で触らない様にしましょう。
触手には刺胞と言われる毒を流し込む仕組みが付いています。触ると刺さってしまうので、ビニール袋やゴム手袋で手を覆って刺さらない様にしながら取り除きましょう。ビニール袋なら、そのまま捨てる事が出来て便利です。
刺されてしまった傷口は、海水で洗い流す様にしましょう。浜辺にいると水道水で洗い流したくなりますが、塩分を含んでいない水で流そうとしても、浸透圧の関係で逆に体内に毒が入り込んでしまいます。海の生物が出す毒は、海水で洗い流した方が良いと覚えておきましょう。
ここまでは、クラゲの種類に問わず共通した対処方法ですが、中には命に直結する毒を持つクラゲもいます。強い毒性を持つクラゲに刺されてしまった場合や、症状が治まらない場合は必ず、ライフセーバーや救護員といったプロの人を呼んで、至急病院へ行く様にしましょう。以前にクラゲに刺された事がある人は、アナフィラキシーショックという症状を起こす事もあります。既に毒と戦う為の抗体が体内にあり、刺された時に過剰反応を起こしてしまう症状です。呼吸困難や血圧が極端に落ちてしまうなど、命の危険に直結する症状を起こしますので、友達や家族と海に行くときに刺された経験があるか確認しておくと良いですよね。
まとめ
夏ならではの水のレジャーは楽しみがいっぱいあります。海で泳ぐのもその一つですが、海にはたくさんの危険が潜んでいます。でも、事前に天気予報を確認したり準備をしていけばほとんどの場合危険を回避することが出来ます。
備えあれば憂いなし。楽しい夏を過ごしましょう。
参考サイト