2016年にオリンピックが開催されるブラジル・リオデジャネイロリオで、ジカ熱と言われる病気が流行しています。
ジカ熱は蚊が媒介して運んでくる病気で、まだ特別な治療法が見つかっていない怖い病気です。
そのため、ジカ熱感染を不安に思った何人かの代表選手がオリンピック参加を辞退するという話が世界各国で頻出している程です。
ニュース等で良く耳にするこの「ジカ熱」とは、いったいどんな病気で、どうすれば防ぐことができるのでしょうか?
「ジカ熱」を中心に蚊が運んでくる病気に関して、数回に分けて詳しくご紹介していきます。
「ジカ熱」について
ジカ熱の症状は?
ジカ熱とは、現在は中南米等の熱帯地域地域を中心に流行している、ジカウイルスにより起こされる感染症です。
ジカ熱に感染してから発症するまでの潜伏期間と言われる時期は2~12日間と言われ、1週間以内に発症するケースが2割ほどあるとされています。
主な症状として、軽い発熱や頭痛・関節痛・筋肉痛・まだらに小さな発疹が起きる斑丘疹(はんきゅうしん)・疲労感・倦怠感を伴う症状が表れます。
これらはほとんど一般的な風邪と同じ症状ですが、特に怖いのが妊娠している方への影響です。
妊婦がジカ熱に感染した場合、胎児へと感染して小頭症などの脳に障がいを残してしまうような大きな症状が出る場合があります。
そのため妊娠している方はもちろん、家族や身近な方に妊婦がいる場合は感染させてしまわないよう特に注意が必要です。
ジカ熱の感染方法
中南米等の熱帯地域地域で蚊に刺された場合、「蚊→人」へジカウイルスに感染してしまう可能性があるのは前述のとおりですが、そのウイルスが「人→人」へ感染する場合があります。
妊婦から胎児への感染(母子感染)や、輸血・性行為といった体液を介して感染する恐れがあるのです。
また、感染者から血を吸った蚊が健康な人を刺す事で「人→蚊→人」のルートで感染が拡大するケースもありえます。
この夏休みにはオリンピックや旅行などで中南米などの海外に行く方が多くなるため、日本での感染拡大も非常に懸念されています。
ジカ熱を拡大しないための注意事項
外務省はジカ熱が流行している地域へ旅行した人に関して、最低8週間は感染の可能性に注意するように呼びかけています。
同様に、妊婦及び妊娠予定の方は可能な限り流行地への渡航を控えてるように呼びかけています。
妊娠中の方は赤ちゃんが生まれるまでの間は特に感染に注意し、性行為等の感染原因となるような行動は控えたほうが良いとされています。
もし熱が出る等の症状が出ていなくても潜伏期間である可能性や感染している可能性があるので、国内で蚊に刺されて感染が広まる前に、旅行から帰ったら病院で感染の有無を確認して貰うようにしてください。
ジカ熱の治療法
現在、ジカ熱に有効なワクチンや治療方法は見つかっていません。
その為「対症療法」と言われる、痛みや熱などの症状を和らげるといった方法を用いて、その人の免疫力を高めるようにする治療しか行えません。
つまり、安静にして自分自身(の免疫)で戦うしか手がないのです。
子供、高齢者などの一般的に体力・免疫力が低いとされている方がジカ熱にかかると、症状が重くなり長引きやすくなる傾向があります。
旅行から帰った後にほんの少しでも風邪っぽい症状が現れたら、早めに病院で診察を受けてください。
ジカ熱の予防方法
引用元 :外務省渡航注意情報(外務省海外安全ホームページ)
上の地図・リンクをクリックして、外務省の渡航注意情報を確認することができます。
ジカ熱には有効な治療方法がまだないので、現状は予防するのが最善の対処方法です。
まず、海外へ行く場合は外務省の渡航注意情報から感染症に関する危険情報をチェックして、不要な旅行はやめましょう。
特に外務省の規定で「危険度レベル3以上」と区分されている地域は渡航中止勧告や退避勧告が出され、入国が出来ない可能性もあります。
渡航を注意されているエリアへ行く場合は、ジカ熱は蚊を媒介として感染するケースが多いので、外出時は長袖の服を着たり虫よけを使うようにしましょう。
宿泊先でも蚊取り線香を使って予防するのが効果的ですので、旅行の荷物に追加しましょう。
また、蚊の繁殖しやすい長時間放置されたバケツや古タイヤの様な水場にはできるだけ近寄らないようにしてください。
まとめ
感染リスクの高い渡航注意エリアから帰国した時に、もし熱のような症状が出たらすぐに血液検査の可能な病院で診察を受けてください。
一刻も早く診察・検査を受けて、ウイルス感染の有無を確認する事が大切です。
体調の変化がある場合や、中南米で蚊に刺されてしまった場合……など心当たりが少しでもあれば、空港には検疫所という場所があります。こちらに相談してみましょう。
蚊を媒介として流行するジカ熱ですが、予防と対策をしっかりすれば感染リスクをぐっと低く抑えることができます。
しっかりと対策をして、夏を楽しみましょう!
明日は「デング熱」についてお伝えする予定です。