日常生活の中で、思わぬ「やけど(火傷)」を負うことは思いのほか多いといわれています。
もし家族や自分がやけどを負ってしまったら、あなたはすぐにその場で適切な処置を行えますか?
やけどは負った直後の処置がのちのちの回復まで影響を及ぼします。
今回は、やけどを負ってしまった直後の正しい応急処置方法についてご紹介したいと思います。
ぜひこの機会に、やけどについて理解を深めておきましょう。
やけどを放置すると、どうなるの?
小さいやけどだからと軽視して何も処置をせずに放置してしまうと、どうなってしまうのでしょうか?
考えられる3つの症状をご紹介します。
1、跡が残りやすくなる
ちょっと油がはねただけだと、やけどを放置してしまいがちですよね?
しかし、やけどは跡が残ることがよくあります。
跡が残った状態で完治してしまうと、自然に跡が消えることはなかなかありません。
やけど跡を完全に消すためには美容外科などでの治療が必要です。
小さなやけどだと思って放置すると、後悔することになってしまいます。
やけどの程度にかかわらず、適切な応急処置を行いましょう。
2、痛みが引きにくい
皮膚の表面上にはそれほどやけどの跡がない場合でも痛みが続いたり、さらに増したりすることもあります。
そのような症状の場合は、皮膚から深い部分の細胞まで損傷が達している可能性があります。
外傷の大小に関わらず、やけどを負ったら適切な処置を行いましょう。
3、感染症の危険がある
やけどを負った時に、患部が水ぶくれになることがあります。
その後、水ぶくれがつぶれてしまった時にそのままにしておくと、細菌が入り込み感染症を引き起こす可能性があります。
やけどから思わぬ病気へとつながる可能性が高まるので、心配な場合はすぐに医師へ相談しましょう。
やけどの応急処置
小さなやけどを負った時に適切な応急処置を行えば、やけど跡も残りにくくなりますし、痛みや感染症の心配も少なくなります。
重いやけどを負った場合でも最初の応急処置は共通しています。
慌てずに以下の4つの応急処置を行うようにしましょう。
1、服は着たままで、冷たい水で患部を冷やす
まずは患部をきれいな冷たい水で冷やすことが第一です。
できればシャワーや水道などを使って流水に当ててください。
痛みを感じなくなるまで、しっかりと冷やすことがポイントです。
衣類の下にやけどを負ってしまった場合、衣類を無理に脱ぐ必要はありません。
場合によっては衣類と皮膚が熱によってくっついている可能性があるからです。
無理に脱がすと傷口を深くする恐れがあります。
衣類の上から水でよく冷やすようにしましょう。
2、痛みが引いた場合、患部をガーゼでおおう
患部をしっかりと冷やして痛みが引いてきた後は、清潔なガーゼでおおいましょう。
適当なガーゼがない緊急時には、食品用ラップが代用品になります。
患部の状態によっては、この状態で氷などで冷やしながらお医者さんに向かってください。
やけどは一般的な切り傷やすり傷よりも範囲が広かったり深かったりする可能性があるため、感染症リスクが高いと言われています。
放置しておくと思わぬ感染症にかかってしまう可能性が高まります。
傷口は必ず清潔なガーゼでおおうようにしましょう。
ごく軽度のやけどは、冷たい水で冷やしてから患部をガーゼで覆えば自然に治っていきます。
ガーゼはこまめに取り換えて、患部を清潔に保ってください。
3、塗り薬はすぐに使わない
やけど用の塗り薬が薬局で売られていますが、やけどを負った直後に使うのは控えるようにしましょう。
塗り薬がかえって逆効果になる場合もあります。
まずは「冷やすこと」が大切です。
4、重いやけどの場合、すぐに救急車を!
熱湯や油が全身にかかってしまったり、衣類や髪の毛に火が燃え移ってしまったり……などといった、自分では対応しきれない重度のやけどを負ってしまったら、すぐに救急車を呼びましょう。
救急車が来るまでの間の応急処置として「水で冷やす」以外のことは行ってはいけません。
無理に衣類を脱いだり、脱がせたりすることは絶対にしないようにしましょう。
自宅に常備しておきたい救急セット
やけどを負った時にすぐに応急処置ができるように、救急セットを準備しておくようにしましょう。
1、清潔なタオル
重いやけどの場合は、患部に直接水をあてるのではなくタオルの上からかけるようにしましょう。
自宅にあるバスタオルサイズで大丈夫です。
いざという時のためにビニールにくるんでおくなどして、清潔な新品同然のタオルを用意しておきましょう。
2、氷
氷は患部を冷やすのに効果的だったり、洗面器の中に入れると水全体が冷えるのでおすすめです。
お医者さんに向かう場合もビニール袋に入れて氷のうとして使って患部を冷やすことができます。
常備しておくことをおすすめします。
3、ガーゼ
ガーゼは患部を覆うのに使用します。
やけどは広範囲に及ぶこともままあります。
清潔な状態が保たれた大きめのガーゼを用意しておくようにしましょう。
思わぬやけどをしてしまうと慌ててしまうものですが、まずはしっかり「水で冷やす」ことです。
痛みがなかなかひかない場合や、やけど跡を残したくない場合は早めに医療機関にかかりましょう。
まとめ
・やけどは程度によって応急処置方法が異なる
・やけどを放置しておくと跡が残ったり、感染症になったりするリスクがある
・やけどの程度にかかわらず、放置せずに適切な応急処置を
・重い場合はすぐ救急車! 冷やしても痛みが引かない場合は薬に頼らず、早めに医療機関へ