日常生活でも災害時にもつきまとうケガの種類にヤケドがあります。
肌が赤くなる程度の軽いヤケドであれば冷やせばまだ良いですが、重度のヤケドとなると適切な応急処置が必要になります。
今回は酷いヤケドを負った時に特に気を付けたい注意点を考えました。
重度のヤケドの場合
傷が癒着しないように注意
重度のヤケドを負った場合、その傷は感染症などに無防備な真皮という肌の深くにまで達しています。
人の肌は高熱に晒されると表面だけでなく内部にまで熱を伝播させていきダメージを与えるのです。
カツオの叩きを作るとき、炙ったあとすぐに冷水で冷やしますが、これは内部へ熱による影響を及ぼさない為の処置です。
人間でも基本は同じですが、重度のヤケドを負っている場合は注意が必要です。
ヤケドが身体の広範囲に及ぶ場合は、服を切り裂くなどして患部を露出させてから清潔なパッドや布でゆるく覆うようにしてください。
これは衣服がヤケドで崩れた肌に癒着しないようにする為で、すでにくっついている部分は無理にはがさずそのままにしてください。
水ぶくれもあるでしょうが、潰さない様に注意が必要です。
重度のヤケドでは皮膚が剥けてしまいやすくなっており、真皮が露出した部分は感染症に掛かりやすい状態になっています。
患部の保護をしっかり行うようにしましょう。
指のヤケドの場合は、指と指の間に滅菌ガーゼを挟んで指同士がくっつかない様にすると良いでしょう。
患部に近い場所にある金属製アクセサリー類も外してあげるようにしてください。
注意しなければいけない事として、重度のヤケドを負っているときは軟膏や消毒液の使用は行わないでください。
真皮に直接ダメージを与えて、症状を悪化させる危険があります。
電気によるヤケド
電源を止める
特殊なヤケドとして感電によるものが挙げられます。
感電の場合は表皮だけでなく内臓などにもダメージが加えられている可能性があり、心肺停止時には心肺蘇生法が必要とされます。
ただ、第一発見者となった場合は応急処置より先に自分の身を守る事を優先して考えてください。
もし、ヤケドを負っている人の周囲で電気が流れていた場合、助けた人も一緒に感電してしまう危険性があります。
まずはブレーカーなどの電源を切ることを優先する様にしましょう。出来れば感電が認められた部屋の全てのコードを抜いて電源を落としておく事で、万が一第三者がブレーカーを起こしても感電しないように対策をしましょう。
ヤケドとして注意しなければならないのは重傷のヤケドと同じですが、心肺蘇生法を行う必要がある場合は、身体が濡れていないかも注意する様にしましょう。
AED(自動除細動器)を用いて電気ショックを加える際に、感電する危険性があります。
もしも、電源が見つからず電気が流れたまま助ける必要がある時は靴底などの電気が通りにくい部分を用いて蹴り飛ばしましょう。
感電するリスクを少しでも減らしつつ、感電状態から相手を開放してあげることが重要です。
ヤケドと一言にいっても、重度のヤケドでは対処方法が難しくなっていきます。
正しい方法を学んで、いざと言う時は対応できるようにしたいですね。
まとめ
・重度のヤケドでは患部を清潔なパッドなどでゆるめに覆う
・ヤケドした指同士が癒着しないように滅菌ガーゼを挟んであげる
・電気によるヤケドの場合は助ける前に自身が感電しないように注意
参考文献
◆MEDIC First Aidベーシックプラス参考書 MFA JAPAN