山登りをしているときに吹いてくる「山の風」は、私たちに心地よさと感動をもたらしてくれるものです。しかし同時に山の風は、登山者にとって危険なものでもあります。それについて見ていきましょう。
春一番の恐怖
町にいるときはむしろ歓迎したくなる「春一番」ですが、登山中にこれが起きた場合は非常に危険なものになってしまいます。なぜなら、山の風のなかでも春一番がもたらす影響は非常に大きいからです。
春一番が起きる時期は、急激に山の気温が上がることがあります。このため、冬に蓄えられていた雪が解けだし、それが登山者を襲うことがあるのです。
また、春一番が通過した直後は、気象が非常に不安定になります。暖かくなりかけていたのに冬型の気圧配置に逆戻りしてしまいます。登山者がそれについていけず、遭難事故にあってしまうこともあります。
それ以外の季節でも気を付けるべき
春一番はたしかに危険なものですが、「それ以外の季節の山の風ならば安全だ」ということはありません。
強風は時にテントをなぎ倒していくことがあります。また、それに加えて、登山者の足元を悪くし、転倒などを引き起こす可能性もあります。山の天候は不安定なものですが、体温を急激に奪っていく危険性も0ではありません。寒い時期などの場合、十分な防寒対策ができていなければ、この「山の風」によって凍死にいたる危険性すらあります。
また、ここまでには至らなくても、強い山の風は、たやすく私たちの体を疲れさせます。そしてこの「疲れ」は、登山を断念させる理由になったり、また無理をした登山による事故を招いたりします。
山の風の対策について知っておきたい事
山の風の対策としては、まず事前に十分に天候に関するニュースを集めておくことが求められます。ほかの天候不順が起きる可能性もありますから、合わせてチェックしておきましょう。危険な場合は登山を中止します。
風速20メートルを超えた場合、人は歩くのも難しくなります。やめるのも一つの勇気です。
まとめ
・春一番は融雪などを招き、非常に危険。天候も冬型に戻るなど、さまざまなトラブルを引き起こしやすい
・それ以外の季節の山の風にも注意が必要
・テントを倒したり、疲労感を倍増させたり、体温を奪ったりする
・登山をする前に、しっかりと天候を確認しておく必要がある
・風速20メートルを超える場合は特に危険である
・危ないと判断したら登山の中止を!
参考サイト
◆ビギナーズ:「登山に潜む危険・自分の身の安全を守るために知っておくこと」
◆YAMAKEI:「春をもたらす「春一番」山ではその前後に、さまざまな危険が生じてくる」