山登りの楽しみは、植物などの自然の美しさに触れることにもあります。
しかし同時に、植物はさまざまな危険をはらむものでもあります。山に存在する植物で危険なものは数多くありますが、今回はそのなかから、「トリカブト」と「ヤマウルシ」を取り上げます。
有名な毒草、トリカブト
トリカブトは、恐らくもっとも有名な毒草なのではないでしょうか。
これは山などによく見られるもので、非常に強力な毒を持っています。これを食した場合、しびれやめまいが起きます。また、場合によっては呼吸ができなくなったり、手足にまでまひが及んだりすることもあります。極めて強烈な毒草であり、過去には死亡事故も何件か起きています。
トリカブトのおそろしいところは、「ニリンソウ」と呼ばれる食用植物との見分けが非常に難しいことです。よく見ると、ニリンソウは葉が3枚で、トリカブトは1枚であるという違いがあります。ただ、これは、「知識のある状態で比較して分かるもの」であるため、トリカブト単体で見た場合はニリンソウと見間違えてしまうことも少なくないでしょう。また、これらは同じところに生えていることも多く、見分けは困難です。
強烈なかゆみをもたらす「ウルシ」
「触ることで強烈なかゆみをもたらす」という植物は、決して少なくはありません。そのなかでも、ウルシは極めて強力なかゆみをもたらすものであり、毒性が非常に強いという特徴があります。葉の表裏両方に短い毛が生えているものであり、大きさは6~12センチ程度です。
「かゆみ」ということで、「トリカブトとは違うから、放置しておいても大丈夫だろう」と考える人もいるかもしれません。しかしかぶれが出た時点で、すぐに専門の医師に診察を受けて治療するのが望ましいでしょう。そうでないと、ウルシでかぶれたのかどうかが分からず、「かゆみをもたらした原因」を特定できないからです。
山に入ると、珍しい山の植物を触りたくなったり、山菜を食べたくなったりする人もいるでしょう。しかし「安全な植物かどうか」を見極めるのは極めて難しいものです。不用意な行動は慎みましょう。
まとめ
・山にはさまざまな「危険な植物」がある
・なかでもトリカブトは、非常に毒性の強いものであり呼吸器系にまで影響を及ぼす
・食べられる植物であるニリンソウとの区別がつきにくい
・ウルシは非常に強いかゆみをもたらす
・専門医に診てもらう必要がある
・山の植物には、不用意に食べない触らない!
参考サイト
◆島根県:「野外における危険な植物」
◆山形県:「トリカブト」