2016年8月6日、横須賀では海上自衛隊サマーフェスタ2016が開かれました。
このイベントでは海上自衛隊横須賀基地が一般開放され、多くの人々で賑わいました。
甚大な被害が出た事故や災害のレポートが続きましたので、ここで一息いれさせていただきます。
今日・明日は2回にわたって海上自衛隊横須賀基地で行われた「サマーフェスタ2016」の見学レポートをお届け致します。
日本を守る自衛隊を少しでも身近に感じていただければ幸いです。
海上自衛隊横須賀基地とは?
佐世保・呉と並ぶ日本を代表する軍港
神奈川県三浦半島の一角にある港町・横須賀は、明治の時代から軍港として発展してきた街です。
今も海上自衛隊と在日米海軍が大規模な基地を置いており、アジアにおけるシーパワーの一大拠点になっています。
海上自衛隊横須賀基地は正式には横須賀地方総監部といい、JR横須賀駅の真横にあります。
首都圏の自衛隊基地や駐屯地の中でも交通の便が比較的良い場所にあります。
ここには海上自衛隊第一護衛隊群をはじめとした太平洋方面の主力艦隊が集まり、海上自衛隊すべての艦隊を統括する自衛艦隊司令部も置かれています。
また、呉と並んで日本で潜水艦を見る事が出来る数少ない港です。
横須賀基地からは少し離れますが、日露戦争時の戦艦三笠が今も記念艦として保存されています。
基地周辺にある旧日本海軍の艦艇に関する慰霊碑と合わせて日本の海軍の歴史を感じられる場所です。
在日米軍が空母を繋げているドッグは、旧日本海軍が戦艦といった大型艦艇を整備していた場所です。
歴史を考えると、感慨深いものがありますね。
陸海空が揃ってアピール!
一番の目玉は日本最大の護衛艦「いずも」
今回、私は友人の海自幹部に誘われて午後から横須賀へ参りました。
列の流れはスムーズでしたが、JR横須賀駅から持ち物検査場まで人の流れが繋がっているほど賑わっていました。
まず横須賀基地に到着して真っ先に目に入るのは、日本最大の護衛艦である「いずも」です。
横須賀駅のホームからも見える巨体は、全長248m・基準排水量1万9500トン(ある程度の荷物を積んだ時の船全体の重さの事)を誇り、旧日本海軍の空母「飛龍」をも上回る大きさです。
いずも型ヘリ搭載型護衛艦の一番艦で、主な任務は「対潜哨戒ヘリ」という潜水艦を狩り出すヘリコプターを多数運用し、艦隊と海路の安全を保つ事です。
また、熊本地震の時に能力を発揮したのがトラックなどの陸上車両の輸送能力で、約50台のトラックを艦内に載せて遠くの港へ運ぶ事が出来ます。
乗艦した感想としては余りの巨大さに驚くばかりで、護衛艦「ひゅうが」にも乗った経験がありますが、米軍の正規空母に乗った時の印象が近かったと感じます。
艦内格納庫から入るのですが、中は車両を入れる事が出来るだけあって天井も高くちょっとしたコンサート会場くらいはあるのではと感じました。
一番驚くのはヘリコプターを搭載して甲板へ上げるエレベーターです。
これは四方が20m近くある巨大なもので、甲板までの10m弱の高さを10秒もたたないうちに上げる事が出来ます。
見学では、このエレベーターで甲板まで一気に上げて貰う事が出来ました。
甲板もまた広大で、端のから端の方を見ると反対側の海面が見えません。
横須賀基地が山に囲まれた地形という事もあるでしょうが、これには驚きました。
甲板から見ても高くそびえる艦橋には海将補が乗艦している旗が掲げられ、艦橋にそれを示すプレートが置かれていたので、イベント当日も将軍クラスの高級幹部が中で勤務していた様です。
そして艦上ではラッパの演奏やヘリコプターの展示を行っていましたが、ここで一点注意する必要がありました。
それは、甲板には滑り止めとしてザラザラとした表面に加工された塗料が使われており、万が一転んだ場合にひどい擦り傷を負う可能性があったので、くれぐれも走らない様に注意された事です。
私が乗った時はちょうど、陸上自衛隊の対戦車ヘリコプターAH-1Sが離陸して帰るところだったので、多くの見学者が甲板に詰めかけおり、コケる人が出るのではないかとヒヤヒヤしておりました。
今回のイベントでは陸上自衛隊からはこの対戦車ヘリに加えて軽装甲機動車と高機動車が近くの武山駐屯地から参加しており、空自からも目玉の一つとして弾道ミサイル対処で活躍しているパトリオット防空ミサイルの発射器が来ていました。
ひときわ目立つ「いずも」の前に置かれた、陸空自衛隊の展示を通りすぎると、今度は南極観測に毎年行っている砕氷艦「しらせ」の巨体が姿を現します。
「しらせ」は文部科学省の用いる船ですが、運用に関しては海上自衛隊が行っている変わった存在です。
基準排水量は12,500トンとかなりの大型艦で、長期間の航海と南極の氷を割りながら進む特殊な航行能力を持つ事が特徴です。
今回は時間の都合で中の見学は行いませんでしたが、前年に乗った記憶では内部の居住スペースを見学させて貰い、快適そうなベッド等を拝見した記憶があります。
更に奥へ進むと海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」と「てるづき」の姿が見えてきました。
明日も引き続き「海上自衛隊サマーフェスタ2016」の模様を紹介致します。
まとめ
- 横須賀は歴史ある軍港の街
- 「いずも」は日本が誇る最大級の護衛艦