地震大国である日本では、余震という言葉を聞く機会が多いでしょう。ですが、見聞きする機会が多くでも、余震がどのようなものなのか分からないという方が少なくありません。そこで今回は、余震を警戒するべき期間や性質まで詳しくご紹介いたします。余震についての正しい情報を得て、日頃から地震対策に努めましょう。
余震とは
余震とは、本震が発生した後に発生する小さい地震のことです。場所によっては、本震に近い規模の大きな揺れが発生することがあります。1997年3月にマグニチュード6.6を観測した鹿児島県薩摩地方の地震では、8日後にマグニチュード5.7の地震が発生しています。
一般的に、震源が浅く大きな地震が発生した際、多くの場合で余震が発生すると言われています。特に震源域の周辺では、余震が発生しやすくなるでしょう。余震が発生する場所は、余震域といいます。
次に余震の発生回数についてですが、本震発生直後は余震の回数が最も多く、時間が経つにつれて発生回数は減っていきます。本震発生後2日目には1日目の約2分の1、10日後には約10分の1にまで減少します。また、地震の規模によっても回数が異なり、大規模な余震の発生回数は少ない一方で、規模が小さい余震の発生回数は多くなるでしょう。
では、なぜ大規模地震の後に余震(地震活動)が活発になるのでしょうか。そもそも地震が発生する仕組みですが、地球の表面を覆うプレートは1年間に数cm程度ゆっくりと移動しています。移動し続けると、次第にプレートに大きなひずみが生じるのですが、それが限界に達することで大きく動き、地震が発生するのです。それを踏まえて余震とは、本震で生じたひずみが解消される時に発生するものです。
地震活動のパターンはいくつかあります。
例えば、本震の後に余震が発生するパターンや本震の前に前震が発生するパターン。偶発的な地震活動型といって大きな規模の地震は発生せず、地震活動がゆるやかに続くパターン等です。最も多いのは、本震の後に余震が発生するパターンです。一般的に、地震活動が終わるまで地震活動のパターンは判別できません。
余震を警戒するべき期間と二次災害を防ぐ為の対策
大地震が発生した後は、より余震に注意しなければならないでしょう。大規模な地震が発生した後は約1週間、特に約2~3日以内に本震に近い地震が発生する可能性が高いからです。最大余震が発生する時期は、内陸は約3日以内、海域の場合は約10日以内だと言われています。
余震についてはまだ解明されていないことが多く、余震が完全に無くなるまでの期間が数年から数十年もかかるケースもあります。平成7年に発生した兵庫県南部地震の余震は、20年以上も続いています。2か月に1度のペースで余震が発生しているのです。
最大震度5弱以上の大きな地震が発生した際は、約1~2時間後に気象庁が今後の地震活動や注意するべき点を発表するので確認しましょう。余震の発生頻度が月に1度のペースを下回るまで、情報提供は続きます。
大きな地震が発生すると地盤のゆるみが生じたり、建物に亀裂が入ったりすることがあります。余震は、本震によって建物や道路等様々な箇所がダメージを受けた後に発生するものなので、二次災害が起きる危険性があります。
二次災害を防ぐ為にも、本震後には倒れる恐れがある家具はないか、照明が落ちる可能性はないのか確認しましょう。ブロック塀や門柱は二次災害によって倒壊することがあるので、近づかないようにします。また、家の中では複数の箇所で同時に火を使わないことも大切です。
まとめ
・余震とは本震が発生した後に発生する小さい地震のこと
・場合によって本震に近い規模の揺れが発生することがある
・震源域の周辺は余震が発生しやすい
・余震は本震の後に最も多く発生し時間の経過とともに発生回数は減少していく
・大規模な地震が発生した後は約1週間以内に大きい地震が発生する可能性が高い
・余震が完全に無くなるまで数年から数十年かかるケースがある
参考サイト
◆国土交通省 気象庁 大地震後の地震活動(余震等)について
◆国土交通省 気象庁 大地震後の地震活動(余震等)について
◆四日市市 防災情報 余震