2018年2月6日から7日にかけて福井県の国道で、大雪のために車が立ち往生する災害が発生しました。車が雪で立ち往生する事態は命の危険を伴うことがあるため、対処法について理解を深めておくことが大切です。今回は車が雪で立ち往生したときにすべきことについてお伝えします。
ハザードランプを点灯させ、助けを呼ぶ
車が道路上で立ち往生をした時、道路上に車を止めたままにしておくと、後続車が追突する危険があります。車が立ち往生した時は、後続車に異常を知らせるために、ハザードランプを点灯させてください。車を自力で脱出させることができない時は、道路緊急ダイヤル(#9910)やJAF(#8139)に連絡し、助けを求めましょう。命の危険を伴う時は、迷わずに警察(110)・消防(119)に連絡してください。
パーキングエリアや施設付属の駐車場などで立ち往生をした時は無理に車を動かさず、施設内に避難させてもらいましょう。
助けを求めた後にすべきこと
車が立ち往生するほどの雪が降った場合は、救助要請が重なったり道が混雑したりして、救助隊の到着が遅れる場合があります。救助隊が来るまでの間、車の中や路上で待たなければなりません。このような時は、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
①ガソリンの残量に気をつける
車のエアコンを利用して暖を取る時は、エンジンをつけたままにする必要があります。エンジンをつけっぱなしにする時は、ガソリンの残量に気を配るようにしましょう。
ガソリンを使い切ってしまうと、車が動き始めた時に車を移動することができなくなってしまいます。またガソリンの残量が無くなると、本当に暖房が必要になった時に暖房を使うことができなくなります。暖房を使用する時は、ガソリンの残量と相談しながら暖房をつけるようにしましょう。
②エンジンをつける時は一酸化炭素中毒に注意
エアコンを利用して暖を取る時は、一酸化炭素中毒の危険を考えなければなりません。雪でマフラー部分が埋まったままエンジンをかけると、排気ガスとともに一酸化炭素が車内に逆流し、一酸化炭素中毒を引き起こすことがあるからです。JAFの実験では、車の周囲が雪で埋まった状態でエアコンを使用すると、車内の一酸化炭素濃度は3時間で致死レベルに達するようです。エアコンを利用する時は、マフラー部分や車の周囲の雪をしっかり除雪してから使用するようにしましょう。
雪は1時間で数センチ~数十センチ積もることがあります。そのため、一度の除雪では不十分なことがあります。エアコンを使用する時は定期的に車の外に出て、マフラー部分や車の周囲が雪で埋まっていないかどうか確認してください。
③車外に出る時は後続車に気をつける
降雪時は視界不良に陥りやすく、ドライバーは人の存在を認知するのに時間がかかります。そのため、外部の状況を確認せずに車外に出ると、後続車にはねられる可能性があります。車外に出る時は、後続車が迫ってきていないかどうか確認するようにしましょう。
マフラー部分の除雪をしている時などは作業に熱中し、状況確認をおろそかにしてしまいがちです。目前のことだけでなく、必ず周囲の状況にも気を配ってください。
④居眠りに注意する
車内で長時間動かずにいると、眠気をもよおすことがあります。また、疲れや単調な光景から眠気を感じてしまうこともあるでしょう。雪で立ち往生をした時に居眠りをする行為は危険を伴います。エンジンをかけたまま居眠りをすると、一酸化炭素中毒に陥る危険が高まります。降雪量が多い場合は車外の状況変化に気付くことができずに、車内で生き埋めになることも考えられます。また、車が少しずつ動いている場合に居眠りをしてしまうと、後続車に追突されるかもしれません。救助が来るまでは居眠りをしないようにしましょう。
まとめ
・車が雪で立ち往生した時は、ハザードランプを点灯させ、後続車に異常を知らせる
・自力で脱出できない時は迷わずに助けを呼ぶ
・車内で待機をする時は、ガソリンの残量に気をつける
・暖房を使用する時はマフラー部分を除雪し、一酸化炭素中毒を予防する
・車外に出る時は後続車に注意する
・居眠りをしない