皆さんは屋根からの雪下ろしをしたことはありますか?
日本海側や高度のある地域などの豪雪地帯に住む方は毎年経験していると思いますが、雪があまり降らない地域に住んでいる方は雪下ろし経験のない方が多いのではないでしょうか?
しかし今年1月には観測史上初めて沖縄で降雪があったように、太平洋側などの雪の少ない地域でも降雪・積雪を観測することがあります。
場合によっては、自宅やガレージ・倉庫などの屋根から雪下ろしをする必要がでてくるかもしれません。
そこで今回は屋根からの雪下ろしに潜む危険性や事故対策についてご紹介します。
雪下ろしの危険性とは?
転落事故に要注意
雪下ろしにはどのような危険性があるのでしょうか?
まず1つ目は、屋根からの転落事故です。
雪の多い秋田県では平成22年から25年の4年間で毎年150人以上の方が雪が原因の事故で亡くなっていますが、その6割は屋根の雪下ろし作業中であることがわかっています。(参考リンク:あきたビジョンvol.17)
大雪に慣れている北国の方でさえ、雪下ろし中に安全対策をしっかりしていなければ命を落とす恐れがあるのです。
2つ目は、おろした雪が通行人に当たってしまう危険性です。
屋根の上で作業をしていると、つい雪下ろしのことだけに集中してしまい、下にいる通行人の存在に気付かないということが多くあります。
もし大量の雪が高さ3メートルから4メートルあるところから降ってきた場合には、通行人が大けがをしたり命を落としたりする危険性があります。
屋根の雪かきには下にいる人への注意も十分にしておかなければなりません。
3つ目は、はしごからの転落事故です。
普段から職場などではしごを使いこなしている方であっても、雪の上ではしごを使うのは難しいものです。
ましてや雪にもはしごにも慣れていない方であれば、その危険性ははかりしれないものとなります。
前出の秋田県のデータでは雪下ろし作業中の落下事故のうち、約3分の1の方ははしごから落下していることが分かっています。
このように屋根からの雪下ろしには作業をしている自分にも危険性がありますし、常に下に人がいるかどうかということも注意しなければなりません。
細心の注意を払って雪下ろしをする必要がありますね。
雪下ろしの安全対策!
装備を整え、必ず2人以上で作業
安全安心を心がけながら雪下ろしをすれば、リスクを少なくすることができます。
まず対策の1つ目は、2人以上で雪下ろしの作業をしましょう。
例えば、屋根の上で雪下ろしをする人が1人、下で通行人がいることを知らせる人が1人いれば、間違って雪を通行人にかけてしまう可能性は低くなります。
万が一落下事故が起きても、発見が早ければ命が助かる可能性が高まります。
雪下ろしをする場合は必ず家族や近所の人に声をかけて、2人以上で作業するようにしましょう。
対策の2つ目は、装備です。
まずは転落しないようにハーネスを体につけておくことです。
ハーネスとは登山用の道具で転落を防いでくれる命綱のようなものです。
登山用ですが雪下ろし時にも便利なグッズで、屋根から転落してくれるのを防いでくれます。
もし雪で足を滑らせてしまっても、しっかりとハーネスをつけておけば転落する危険性は少なくなるでしょう。
ハーネスが無い場合でも命綱は面倒でもしっかりとしめておきましょう。
他にもヘルメットをする・携帯電話を取り出しやすいポケットにいれておく・動きやすい服装・滑りにくい靴などの装備を万全にしてから作業を開始するようにしてください
3つ目の対策は、はしごの固定です。
可能であればだれか別の人にはしごの足元をしっかりと押さえておいてもらうことが最善です。
角度もしっかりつけて安定させるよう心がけましょう。
意外と間違いやすいのが、屋根の傾斜に対してはしごをまっすぐ立てることです。
斜めに傾斜している場所に横からはしごを立てかけると安定しませんので、傾斜に対して垂直に立てかけるようにしましょう。
晴れている日や気温が温かい日は雪が溶けて滑りやすくなっていますので、転倒に十分にご注意ください。
雪下ろしは大変危険な作業ですので、万全の安全対策をしてから行うように気を付けてくださいね。
まとめ
・屋根からの雪下ろしは自分が転落してしまったり、通行人がけがをしてしまう危険性がある
・雪下ろしをするときには必ず2人以上で行うようにしよう
・雪下ろしの際は面倒でもヘルメットや命綱をしっかりしよう
・転落を防ぐために、ハーネスを利用すると便利