私たちは「交通事故」と聞いたとき、ついつい自分や家族を「被害者側」において想像をしてしまいます。
また、「死者数」などの言葉を聞いたときも同じように思うでしょう。
しかし、私たちは常に「加害者」になる可能性も持っています。
今回は、「交通事故の統計を加害者の視点から見てみる」ということでお話しをすすめましょう。
もっとも多くの事故を起こしているのは10代の若者
「原付以上の免許を持っている人間が起こした交通事故の件数」をまとめたデータによれば、その交通事故の当事者となっている人の多くが10代の若者です。
平成17年~平成27年のなかでもっとも件数が多かった平成17年は、なんと、10代が起こした事故は3000件近くにまでのぼっていました。「20代」の層はその半分程度でしたからその数の多さがうかがい知れます。ちなみに、近ごろ注目されるようになってきた「高齢者」ですが、そのなかでもっとも多い80代以上でも1200件程度と、10代の半分以下になっています。
また、若者が事故を起こしたときの死亡者発生率の割合は、全体の3割近いという数字が出ています。ちなみに、15歳~19歳で亡くなる男性のうちの半数以上が、女性では3割近くが、自動車による交通事故だということも分かっています。
加えて、物的な損失額も、10代の若者がもっとも多く、その年間損失額は600億円にものぼろうとする勢いです。
加害者にならないために
このような統計を見ていくと、「自分の子どもが交通事故の加害者になるかもしれない」ということが肌で感じられるのではないでしょうか。
加害者にならないためには、きちんとした教育が必要です。無謀な運転を慎み、交通ルールを守って運転することを、親の立場からも教えましょう。
これは実際に警察官から受けたアドバイスに「たとえ運転が未熟なときにどこかにぶつけたりだれかと接触したりしても、スピードが出ていなければ被害は小さくて済む」というものがあります。自分の運転技術が未熟であること、加害者になる可能性があること、そして加害者側になったときに被害を最小限でおさえるためにはどのような運転をすべきかを、しっかりと考え、教えていかなければなりません。
また、加害者となったときにはすぐに救急車を呼び、警察に通報する「義務」があるということも、しっかりと伝えておきましょう。これは、車やバイクという「人を殺す凶器になる道具」を運転する人間にとって、絶対に守らなければならない基礎です。
まとめ
・交通事故を起こす割合は10代に多い
・死亡率や損害率にも関係してくる
・運転が未熟なうちはスピードを出さない!
・常に自分が「害を与える側」になる可能性を自覚しておく
・もし事故が起きたら、すみやかに救護と通報を行う
参考サイト
◆日本損害保険協会:「自動車保険データにみる交通事故の実態」
◆交通事故総合分析センター:「イタルダ・インフォメーション「若者事故」」