警視庁の調査によると、歩行中の交通死亡事故の中には、歩行者側の違反によって発生したものが59.7%あることがわかります。交通事故を予防するためには、ドライバーと歩行者の両方が事故防止対策を取ることが大切と言えるでしょう。特に歩行者は、交通事故が起こったときに大きなケガを負ったり、命を落とすリスクが高いです。自分の命を守るためにも、歩行中の注意点について理解を深めておきましょう。
道路の歩く位置を確認しよう
歩道がある道路では、必ず歩道を歩くようにしてください。片側にしか歩道がない場合でも、歩道を歩きます。歩道を歩くときは道路側を避けるようにし、車と接触するリスクを減らしましょう。
路側帯がある道路では、路側帯の中を歩きます。歩道や路側帯のない道路では、歩行者は道路の右側を通行するようにしましょう。横に並んで歩く行為は、車と接触するリスクを高めます。1列になって歩いてください。
横断に関するルールを守ろう
道路交通法では、歩行者のルールについて定められています。歩行中は歩行者のルールを守ることが、事故を減らすことにつながります。
近くに横断歩道がある場合や、信号のある交差点がある場合は、その横断歩道や交差点を利用してください。歩道橋、地下道などがある場合は、できるかぎりこれらの施設を利用しましょう。
「歩行者横断禁止」の標識がある場所は、横断が禁止されています。また、道路を斜めに渡る行為や、車の直前・直後を渡る行為も禁止されています。絶対にしないようにしましょう。
ガードレールを乗り越えて横断をする行為など、ドライバーが想定していない行為をすると、事故につながります。安全に渡れる場所まで移動するようにしましょう。
渡るときは左右確認を
道路を横断する時は必ず左右を見て、車が来ていないこと・停止していることを確認しましょう。
左右確認をしない行為や飛び出しは、大きな事故につながります。絶対に止めましょう。
車が止まったことを確認してから渡る
横断歩道は歩行者が優先であり、ドライバーは歩行者が明らかにいない場合を除き、横断歩道で一時停止するように義務付けられています。ところが、この義務を守らないドライバーが多いのも実情で、歩行者が渡っている・渡ろうとしているにも関わらず、車がスピードを維持したまま横断歩道に侵入し、事故が発生するケースが後を絶ちません。歩行者は自分の身を守るためにも、横断歩道では左右確認を行い、車が迫ってきているときは車が停止したことを確認してから渡るようにしましょう。
車が停止したことを確認するときは、必ず右側と左側の両方を確認してください。筆者は横断歩道を渡る際に、右側の車は停止したものの、左側の車はスピードを維持したまま横断歩道を通過していった経験があります。きちんと確認せずに渡り始めていたら、左側から来た車にぶつかったかもしれません。丁寧な確認が、命を守ることにつながるのです。
夕暮れ時や夜間の心がけ
夕暮れ時や夜間は視界が暗くなり、ドライバーは歩行者を発見しにくくなります。事故防止のためには、ドライバーに気づいてもらいやすい服装を心がけることも大切なのではないでしょうか。服装は黒よりも明るい色の方が目立ちます。
また、反射材を身につけることにより、遠くからでも気づいてもらいやすくなります。反射材は一方向からだけではなく、複数の方向から見ても光るように効果的に用いることがポイントです。キーホルダータイプ、シールタイプ、バンドタイプ、たすきタイプなど様々なタイプがあるので、好みの物を利用してみましょう。靴や鞄に最初から取り付けられているタイプもおすすめです。懐中電灯やライトを持って歩くのもよいでしょう。
まとめ
・歩道があるところは歩道を、路側帯がある場所は路側帯の内側を歩こう
・歩道や路側帯がない場所は、道路の右側を一列になって歩く
・渡るときは横断歩道や信号のある交差点を利用する
・左右を見て、車が来ていない・停止していることをしっかり確認する
・夕暮れ時や夜間の歩行は明るい服装を意識し、反射材を身につけよう
参考サイト
◆警視庁「歩行者の交通事故防止」
◆香川県警「交通安全ニュース 知っていますか??歩行者にも、守るべきルールがあります!!」