地震は、いつ・どこで起こるかわかりません。思いがけない場所にいるときに地震が起こったときは、パニック状態に陥ってしまったり、知識不足から身を守る行動を十分に取ることができなかったりすることがあります。
万が一のときにケガをしないためにも、今回は、トイレや浴室にいるときに地震が起こった場合の対処法についてお伝えします。
トイレにいるときの対処法
トイレで揺れを感じたときは、「早く避難をしないと!」と思い、慌ててトイレの外に飛び出してしまいがちですよね。揺れている最中にトイレの外へ出る行為は、転倒するリスク、落下物や飛散物でケガをするリスクを高めます。まずは落ち着いた行動を心がけてください。
トイレで揺れを感じたときに最初にすることは、扉を開けることです。揺れによって扉が変形してしまうと、トイレの中に閉じ込められてしまうので、必ず扉を開けて避難経路を確保しましょう。
トイレは安全というイメージがありますが、照明や鏡の破損、強い揺れによって体が左右に動くことなどにより、ケガをする恐れがあります。これらの衝撃に備え、揺れがおさまるまで低い姿勢を取り、腕を使って頭部を守りましょう。広いトイレの場合は、床にうずくまるとよいでしょう。
お風呂にいるときの対処法
入浴中に地震が起こったときはトイレと同じように、「慌てて飛び出さないこと」「閉じ込められないように扉を開けること」を第一に行動してください。衣服を身につけていない状態であることから、「早く服を着ないと」という焦燥感に駆られることもあるでしょう。ですが、慌てて行動することはケガのリスクを高めます。落ち着いた行動を心がけましょう。
浴室は転倒しやすい状況が整っています。立ったままやり過ごすのではなく、すぐに低い姿勢をとりましょう。照明や鏡が割れてケガをする恐れがあるので、洗面器やお風呂の蓋を使って頭部を守ります。
揺れがおさまったら、浴室から安全な場所に避難をしましょう。このときに速やかに行動できるように、タオルや着替えなどは手が届きやすい範囲に置いておきましょう。
浴槽に水をためている場合は、断水がおこったときのことを想定し、そのままにしておきます。飲料水として使用できなくても、トイレを流す水などに利用することができます。
筆者の経験談
東日本大震災が起こったとき、筆者の家ではトイレの棚の上に置物やトイレットペーパーのストックを置いていました。これらのものは大きな揺れによって、全て床に散乱してしまいました。置物は木彫りのものであり、幸いにも片づけは簡単でしたが、ガラス製のものや陶器でできたもの、それも大型のものであった場合は、割れて飛散していたと思います。また、トイレットペーパーは頭上近くまで積み上げていたため、頭の上に落ちてきたら怖いと感じました。この経験以降、トイレで被災する恐れがあることも念頭に置いたディスプレイ・収納を心がけています。
筆者は、入浴中に地震を経験したことがあります。ちょうど髪を洗っている最中でした。足元が泡で滑りやすくなっていたので、その場で正座をするようにしてしゃがみ込みました。また、入浴中はコンタクトレンズを外しているため、よく見えない状態は怖いなと強く感じました。この経験以降、メガネも手の届くところに置いておくようにしています。
家の中であっても、思わぬ場所で被災することがあります。「もしここで災害が起こったら」という視点で取るべき行動をシミュレーションしておくと、いざという時に慌てないで済むのではないでしょうか。
まとめ
・トイレやお風呂で被災した時は、ドアを開けて避難経路を確保する
・その場で低い姿勢を取り、手や洗面器などを使って頭部を守る
・落ち着いて行動をすることが大切