テレビやスマートフォンで緊急地震速報を目にしたことはありませんか?緊急地震速報は大規模地震の発生をいち早く知らせてくれるシステムです。大規模地震から命を守るために緊急地震速報について理解を深めるとともに、どのような媒体から受信できるのかという点も確認しておきましょう。
緊急地震速報とは
緊急地震速報は気象庁が中心となって提供する、地震警報システムの一つです。
地震発生直後に震源地付近に設置された地震計で観測したデータから震源の位置・地震の規模(マグニチュード)を速やかに予測して、大きな揺れが到達する前に震度や揺れが到達する時刻を知らせるシステムです。緊急地震速報は、大きな揺れが到達する数十秒前~数秒前に発せられます。
緊急地震速報には様々な種類がありますが、一般向けに発せられるのは「緊急地震速報(警報)」です。これは「地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上と予測された場合」に発表されます。
緊急地震速報の内容は、地震発生時刻、発生場所(震源地)の推定値、地震発生場所の震央地名、震度5弱以上の強い揺れが予想される地域名、震度4が予想される地域名などです。震度6弱以上のさらに強い揺れが予想される場合は、「緊急地震速報(特別警報)」が発せられます。
緊急地震速報はテレビ放送、ラジオ放送、携帯電話(スマートフォン)、防災無線、パソコンなどの情報端末、施設などの館内放送で発表・受信されます。携帯電話や情報端末では受信設定をオンにしておいてください。
緊急地震速報のメリット
大きな揺れが発生することをいち早く知ることは、速やかに身を守る行動を取ることにつながります。室内にいるときは「避難経路を確保する」「落下物やガラスなどの飛散物から離れる」「机の下などに隠れて頭部を保護する」といった行動を取ってください。屋外にいる場合は落下物・ガラスなどの飛散物・ブロック塀など倒壊の恐れがある物から離れ、できれば頑丈な建物の中に避難してください。車を運転している場合はハザードランプを点灯させ、ゆっくりと速度を落として道路の左側に停車させましょう。
緊急地震速報の訓練
筆者はかつて住んでいた自治体で緊急地震速報の訓練に参加したことがあります。自治体が発信した訓練用の緊急地震速報を受信し、速やかに机の下に隠れました。身を守る行動を取ることができるかどうかという点に加え、どのような警告音が鳴るのか、どのような画面表示が出るのかといった点を確認することができました。防災無線を使った緊急地震速報の訓練では身を守る行動を取るとともに、内容がきちんと聞き取れたかといった点もチェックしました。
緊急地震速報の訓練は一部の自治体や行政機関によって行われています。他にも気象庁が提供する訓練用動画を利用する、津波防災啓発ビデオ「津波に備える」に収められている訓練用動画を利用する、スマートフォンのアプリを利用するといった方法で独自に訓練を行うこともできます。いざという時に備え、訓練をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
・緊急地震速報は大きな揺れが到達する前に揺れの大きさや到達時刻を知らせる地震警報システムである
・テレビ、ラジオ、携帯電話(スマートフォン)などの情報端末、防災無線などで発せられる
・緊急地震速報を受信したら身を守る行動を取る
・訓練に積極的に参加しよう
参考サイト
◆気象庁「緊急地震速報(警報)及び(予報)について」
◆気象庁「緊急地震速報を活用した訓練について」