頭部は人体急所の一つです。災害時は頭を守る行動をとることも、命を守るうえでとても大事なことです。
今回は、災害時に身近なもので頭部を守る方法や、日頃から備えておきたいものについてお伝えします。
机の下に入る
避難訓練で「揺れを感じたら机の下に入る」ということを習った方も多いのではないでしょうか。この行為には一定のメリットがあり、机の下に入ることで、照明器具などの落下物や倒れてくる家具から頭を守ることができると考えられています。ただし、折りたたみ式の机や強度が不十分な机の場合は、机が壊れてしまったり吹き飛ばされたりすることがあります。かえってケガをする原因になるので、日頃から机の強度も意識しておきましょう。
また、机の下に物を置いているとスペースが狭くなったり、揺れで物が散乱したりして、入ることが難しくなる場合があります。机の下は常に整頓し、なるべく物をおかないようにしましょう。
身近な物で守る
頭を守るスペースがない場合は、身近にあるもので守ることを考えます。室内にいるときはクッション・枕・毛布・座布団などを、少し空間をあけた状態で頭の上に持っていき、姿勢を低くします。寝室にいる場合は身を低くして布団にくるまる方法も効果的です。外出先では鞄などを使って守りましょう。
頭を守る姿勢を取る
クッションや鞄など頭を守るものが側にない場合は、頭部を守る姿勢を取ります。以下の方法を参考にしてみてください。
①地面に膝をついて座り、体を丸める
②後頭部に手を当てて頭や首を守る
この姿勢は「ダンゴムシのポーズ」「ダンゴムシの姿勢」などと呼ばれています。ダンゴムシのポーズをとるときは、危険なものにお尻を向けることがポイントです。
赤ちゃんは自分でダンゴムシのポーズをとることが難しいですよね。その場合は、保護者が赤ちゃんの頭部を守る姿勢をとります。以下の方法を参考にしてみてください。
①赤ちゃんと向かい合わせに座り、保護者のお腹のあたりに赤ちゃんの頭がくるようにする
②保護者は赤ちゃんのお尻に手を当て、抱えるようにして丸くなる
このような姿勢を取ることで、赤ちゃんの頭を大人の背中で守ることができます。
頭部を守る姿勢は、いざという時に行動にうつせるようにすることが肝心です。訓練に導入し実際にポーズを取らせてみたり、遊びの中で導入したりするようにしてみましょう。
ヘルメットを準備しよう
ヘルメットには落下物や飛来物から頭部を守る役割があります。ヘルメットを被ることで両手が自由になることから避難の際に身軽になりますし、子どもがいる家庭では子どもと手をつないで逃げることができるようになります。地震のときだけでなく、火災・台風など様々な災害の際にも役立つことから、優先度の高い防災グッズと言えるでしょう。
ヘルメットは非常用持ち出し袋の側など、いざという時にすぐに持ち出せる場所に備えておいてください。オフィスでは、机の上などすぐに手が届く場所に置いておきましょう。
ヘルメットには様々な種類がありますが、災害時に使用するときは国家検定規格品を選びます。保護帽として認定を受けた国家検定規格品には「労・検」のラベルが貼られているので、購入する際はこのラベルの有無を目安にし、そのうえで「飛来・落下物用」「墜落時保護用」を選ぶようにしてください。
ヘルメットは自分の頭のサイズに適していることも大事なポイントです。購入時は実際に被ってから選びましょう。子ども用や赤ちゃん用もあるので、子どもや赤ちゃんがいる家庭は、それぞれの年齢や体格に適したものを用意しておくと安心です。
まとめ
・机の下は落下物から頭を守るのに適している
・クッションや鞄を使って頭を守る
・頭を守るものが近くにないときは、ダンゴムシのポーズをとる
・災害時に備えてヘルメットを準備しておく