緊急地震速報が鳴ると、多くの人が一瞬にして地震に対する不安や恐怖を感じるものです。日本は言わずと知れた地震大国。2019年から過去10年間の間で、19,667名もの犠牲者を出した2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震など最大震度7を観測した地震は3度も起きています。日本では、再びいつどこで大規模な地震に見舞われるか誰にも分かりません。緊急地震速報は命を守るための大切な警告音でもあるのです。
しかし現在、この緊急地震速報を悪用した詐欺が多発していることをご存知でしょうか?詐欺は、災害時の不安感に漬け込む卑劣なものです。悪質な詐欺の被害に遭わないためにも、緊急地震速報に扮した詐欺の手口を知りましょう。
緊急地震速報を装った詐欺の手口とは

気象庁では、緊急地震速報(警報)を伝えるための緊急速報メールを配信しています。詐欺はこの緊急速報メールを装った手口です。
実際に送られてきた詐欺メールは下記のようなものです。
・緊急地震速報が発表されました。これから強い揺れが来ますので十分警戒してください。(気象庁発表)
・地震の影響により津波が発生する恐れがあります。今後の情報に注意して行動してください。
このように、地震が来るという不安を煽るような文言の下にURLが添付されているのですが、詳細を確認しようとしてアドレスをクリックしてしまうとアダルトサイトや出会い系サイトなどの悪質なサイトに飛ばされてしまいます。これにより金銭的なトラブルに巻き込まれたり、ウイルス感染する危険性が高まるのです。もし、金銭的な被害に遭ったら直ちに警察に被害届を出しましょう。
緊急地震速報の詐欺被害に遭わないための対策

緊急地震速報とは強い揺れ(震度5弱以上)が予想される地域及び震度4が予想される地域名を通知するものです。
気象庁発表の本物の緊急速報メールは「緊急地震速報 ○○県で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)」という文言で、メールの着信音とは違う専用の通知音が鳴ります。文言の下には、リンク先が記載されていません。これが詐欺メールとの絶対的な違いと言えるでしょう。送信元が気象庁と表示されていても、URLが記載されている場合は詐欺です。絶対にクリックしてはいけません。
その他にも、次のようなポイントに注意しましょう。
・緊急地震速報がショートメールで送られてきたら偽物
・気象庁発表の速報メールは返信できない仕組みだが、返信できたら偽物
・個別に送信されていたら偽物
このような特徴を持つ速報メールが来たら無視することが、詐欺被害に遭わないための最も効果的な対策と言えるでしょう。
また、緊急地震速報ではなく地震後に土砂災害速報メールとして送られてきたり、救援物資の依頼を装った詐欺メールが送られてきたというケースもあります。どのようなものにしても、必ず文言の下にリンク先が記載されているので偽物かどうか判断しやすいです。
このように、緊急地震速報メールを装った詐欺は実に巧妙で、知らない人からすると一見本物に思えてしまいます。それから、強い揺れがくるかもしれないという不安感により、冷静な判断ができなくなってしまうのも騙されてしまう原因のひとつかもしれません。
本物のように見えていても、詐欺メールには必ず特徴があるものです。気象庁を装ったメールには十分に注意し、被害に遭わないように注意しましょう。
まとめ
・詐欺メールにはURLが記載されている
・URLをクリックすると悪質な詐欺サイトに飛ばされてトラブルに繋がる
・公的機関からのメールであってもすぐに信用しない