気象庁が発表する「緊急地震速報」のことは、みなさんご存じのことでしょう。テレビを見ていても、ラジオを聞いていても、そうでなくてもスマホや携帯にて、大きなアラーム音と共に地震の発生を知らせてくれます。ですが、緊急地震速報が流れてもどうすればよいか、分からない方も多いようです。今回は、気象庁が発表する緊急地震速報について、詳しく解説しましょう。
緊急地震速報とは
緊急地震速報は、地震の発生直後に各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせる情報のことで、あらゆる手段を使って地域住民に伝えます。強い揺れの前に、自らの身を守ったり、列車のスピードを落としたり、あるいは工場等で機械制御を行うなどの活用がされます。
緊急地震速報の流れ
1:最大震度が5弱以上の地震発生!!
2:震源近くの地震計で地震波をキャッチ
3:気象庁にて震源や地震の規模、予想される震度(揺れの強さ)を自動計算して、緊急地震速報を発表
3:テレビ・ラジオ・スマホ・携帯など、あらゆる媒体で情報を伝える
緊急地震速報は2種類存在する
緊急地震速報には「予報」と「警報」の2種類が存在します。「警報」の中でも予想震度が大きな地震では「特別警報」と位置づけています。
1:予報第1報⇒地震発生から2~3秒後
2:予報第2報⇒地震発生から5~10秒後
3:警報⇒予報第2報と同時に発表される
4:警報続報⇒地震発生から約25秒後に続報として発表
5:予報最終報⇒地震発生から30秒後
緊急地震速報(警報)のうち、震度6弱以上の揺れの大きな地震動が予測される場合には「特別警報」として位置づけされています。
【重要】特別警報は直ぐに命を守る行動が必要
緊急地震速報が発表されたら、周囲の状況に応じて慌てずに身の安全を確保する必要があります。特に、特別警報の場合は「震度6弱以上の揺れ」が予想されるので、直ぐに命を守る行動を取らないと危険です。このことは、しっかり覚えておく必要があります。
緊急地震速報を聞いてから揺れが始まるまでは短い
緊急地震速報が発表されてから、強い揺れが到達するまでの時間は短いです。速報を聞いてから、数秒から長くても数十秒程度であり、震源に近いところでは速報が間に合わないケースもあります。また、ごく短時間のデータだけを使った速報であることから、予測された震度に誤差を伴うケースもあることを知っておきましょう。
震度観測地点は日本全国で4,375地点もある(令和3年10月28日現在 気象庁公表値)
緊急地震速報をできるだけ早く発表できるように、日本全国に地震計が設置されています。地震計が設置されている震度観測地点は、全国で4,375地点もあり、最も多いのは北海道の337地点となっています。
緊急地震速報が発表された時の行動
緊急地震速報は、最大震度が5弱以上の場合に発表されますので、速報が発表されてから数秒から数十秒後には、強い揺れが襲ってきます。住宅内にいる場合は、机の下に隠れる、何も落ちてもない、何も倒れてこないスペースに逃げる行動が必要です。
外で緊急地震速報を聞いた場合は、ブロック塀から離れて、カバンなどで頭をカバーしてしゃがむことが必要です。ともかく、身を守る行動をとらないと、家具の転倒に巻込まれたり、ブロックの下敷きになったりする可能性が高くなるので、要注意です。
改めて緊急地震速報の重要性を解説
ここで、「どうせ緊急地震速報が流れても地震に間に合わないのだから、気にする必要はないでしょう!」と言われる方も少なくありません。ですが、その考え方は間違いなのです。緊急地震速報は、震度5弱以上の揺れが予想された場合に発表されます。なので、小さな地震でなく家具や塀が倒れてもおかしくない揺れが襲ってくることを、しっかり把握しておかないとダメです。震度1や2でも、揺れを感じると怖いですよね。その揺れが震度5以上なのですから、相当揺れます。
緊急地震速報を甘く見ないで、速報を聞いたら直ぐに身の安全を確保しましょう。
家庭内では「何も落ちてこない、何も倒れてこないスペース」を作っておこう
大きな地震時に有効なのが、「何も落ちてこない、何も倒れてこないスペース」です。このスペースに逃げ込めば、家具の転倒で下敷きになることも、割れたガラスでケガをすることもありません。また、そのスペースにシューズを保管しておくと、地震がおさまったあとでも割れたガラスなど、気にすることなく外へ避難することができますよ。
まとめ
・緊急地震速報は、震度5弱の揺れを知らせてくれる
・緊急地震速報から揺れを感じるまで数秒から数十秒と短い
・緊急地震速報を聞いたら直ぐに身の安全を確保する
・家庭内では「何も落ちてこない、何も倒れてこないスペース」が重要
参考サイト
◆気象庁 緊急地震速報(警報)及び(予報)について
◆気象庁 緊急地震速報の特性や限界、利用上の注意
◆気象庁 震度観測地点