「交通事故」というと車が加害者になる事故を想像しますよね。ところが自転車が加害者になる事故も多発しており、死亡事故も発生しています。
自転車は子どもから大人まで運転できる乗り物です。誰もが加害者になる危険があると言えるでしょう。この機会に交通ルールやマナーなどの注意点を見直し、安全運転に努めましょう。
自転車による事故
自転車による事故は交通事故のおよそ2割となっています。その中でも自転車と自転車が接触する事故や、自転車と歩行者が接触する事故では、自分がケガをするリスクだけでなく、相手をケガさせるリスクが高いことがわかっています。過去には自転車と歩行者が接触することによる死亡事故も発生しています。
自転車が加害者となる事故の背景には、交通ルールを熟知できていないことや、事故につながりやすい運転をしていることが挙げられます。事故を予防するためには、交通ルールへの理解を深めることや、運転に集中し安全確認を怠らないようにすることが必要と言えるでしょう。では、具体的にどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
加害者にならないために気を付けること
①交通ルールを守ろう
道路交通法では自転車は「軽車両」に分類されます。法律で定められた行為に違反をすると、罰則を受けることがあります。
まず自転車の二人乗りは、一部の例外を除いて原則禁止です。子どもや若者がやってしまいがちな「友達を後ろに乗せて走る」などの行為は違反ですので、絶対に止めてください。親が子どもを乗せる場合も、道路交通法で定められた規則を守るようにしましょう。
友達や家族で自転車を並走させている姿を見かけますよね。並走は、道路標識等で認められていない場所では禁止されています。
飲酒運転は禁止です。お酒を飲んだら絶対に自転車に乗らないでください。
夜間に運転する際はライトを点灯させます。
自転車は軽車両であり、車道と歩道が区別されている場所では、原則として車道を通行します。車道では左側を通行します。「普通自転車専用通行帯」や「自転車道」がある場所では、その中を通行します。右折をする際は右折レーンに入るのではなく、交差点を渡ってから進路を変更する二段階右折を行います。
自転車は道路交通法が定める範囲において、歩道を通行することができます。その際は歩道の車道より(右側)を、いつでも止まれる速度で通行します。歩行者の妨げになる際は一時停止するか、自転車から降りて押して通行します。自転車と自転車がすれ違う場合は、歩道の右側で、相手を右側に見ながら(自分が左側になるように)すれ違います。
道路標識がある場所では、自動車と同じように標識に従って運転しましょう。一時停止の場所では必ず停止し、左右を確認しましょう。
②ながら運転をやめる
自転車は気軽に運転できることから、無意識のうちに危険運転をしてしまうことがあります。そのうちの一つが、「ながら運転」です。ながら運転とは何かをしながら自転車を運転する行為のことです。他のことに気をとられてしまうことから、「前方不注意になりやすい」「周囲の状況がわからなくなる」「安全確認を怠る」「とっさの判断や危険回避行動が遅くなる」といった様々な弊害が生まれやすくなり、事故を起こす確率が高くなります。
「ながら運転」には「スマートフォンを操作する」「音楽を聴く」「飲み物を飲む」「傘を差す」などの行為が含まれています。どの行為もついやってしまいがちなので、意識して止めるようにしましょう。
③余裕を持って移動する
急いでいるときに自転車を運転すると、「スピードを出してしまう」「安全確認を怠ってしまう」といった事故につながる行為をしてしまう恐れがあります。特に通勤・通学で自転車を利用している人や、仕事で自転車を利用している人は、時間に間に合わせるために急いで運転してしまいがちです。事故防止のためにも、余裕をもって出かけるようにしましょう。
④子どもと話し合い、安全運転を促そう
自転車による事故は子どもが加害者になることがあります。子どもが加害者にならないためには、自転車の乗り方や交通ルールについて、親子で話し合う時間を設けることも大事なことなのではないでしょうか。
保護者は「交通ルールについて説明する」「ながら運転の危険を教える」「通学時などは余裕をもって出かけることができるように声かけする」といった点に取り組んでみましょう。
まとめ
・自転車が加害者になる事故は、死亡事故などの重大事故につながる恐れがある
・交通ルールを確認し、ルールを守った運転を心がける
・ながら運転はしない
・余裕をもって出かけることで、安全運転につなげよう
・子どもが自転車を利用する場合は子どもと話し合いを行い、安全運転を促す