自転車は子どもから高齢者まで、幅広い方が利用しています。気軽に乗ることができるイメージがありますが、死亡事故を含む交通事故も多発しています。
自転車に乗るときは、どのようなリスクがあるのでしょうか。また、事故防止のためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
自転車による事故のリスク
警察庁の調査によると、令和二年の自転車関連事故(自転車が第一当事者または第二当事者となった交通事故のこと)の件数は、減少傾向にあるようです。しかしながら、交通事故全体における自転車関連事故の割合は増加傾向にあることから、引き続き注意が必要と言えるでしょう。
自転車関連の死亡・重傷事故の中で最も多いのは、自動車が相手となるケースです。その中には、自転車側にも安全確認の不備、信号無視、一時停止をしないなどの違反があったケースもあります。重大事故のリスクを回避するためには、交通ルールを徹底的に守ることも大事です。
自転車による事故は、自転車側が被害者になるとは限りません。自転車が加害者になる事故では、死亡事故、重傷を負わせる事故、高額賠償に発展するケースなどもあります。
自転車は老若男女幅広い世代で利用されるため、誰もが被害者・加害者になるリスクがあります。交通ルールやマナーについて理解を深めるとともに、保護者は子どもに教えるようにしましょう。
守りたいルールとマナー
①原則車道を走る
道路交通法において、自転車は「軽車両」に分類されます。車道と歩道が区別されている場所では、原則車道を走行する必要があります。違反すると、3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されることがあります。
ただし、「普通自転車歩道通行可」の標識がある場所や、13歳未満の子供や70歳以上の高齢者、体が不自由な人が自転車を運転するときは、歩道を走行することができます。駐車車両があるとき、自動車の交通量が多く安全に走れる環境にないときなども、歩道の通行が認められています。
②車道の左側を通行する
車道を走行するときは、道路の左側に寄って通行します。路側帯を走行するときも、左側に設けられた路側帯を通行します。
③歩道走行時の注意点
歩道を走行するときは、車道よりを徐行で通行します。歩行者の通行を妨げるような運転をしてはいけません。一時停止をするか、自転車を降りて押して通行します。また、スピードを出して歩行者を追い抜く行為、歩行者を立ち止まらせる行為、ベルで道を譲るように威嚇する行為などは違反となります。
歩道で自転車と自転車がすれちがうときは、相手の自転車を右に見ながらすれ違いましょう。
④違反行為をしない
飲酒運転、二人乗り、自転車の並走(自転車と自転車が並んで走行する行為)は禁止されています。絶対にやめましょう。
信号がある場所では信号を守ること、一時停止の標識がある場所では必ず停止し周囲の安全確認を行うことを徹底しましょう。その他の場所でも、出会い頭の事故などを避けるために、安全確認を徹底してください。
夜間はライトを点灯させます。反射器材の取り付けも忘れずに行いましょう。
⑤ヘルメットを着用しよう
警察庁の調査によると、ヘルメット非着用時の致死率は、着用時と比較すると約3倍に上昇していることがわかります(令和2年)。万が一のときに命を守るためにも、ヘルメットを装着するようにしましょう。特に、子どもが自転車を運転する時や、子どもを幼児用座席の乗せるときなどは、ヘルメット着用を徹底してください。
⑥ながら運転はNG!
「ながら運転」とは、何かをしながら運転をする行為です。スマホを操作しながら運転する行為、飲み物を飲みながら運転をする行為、傘を持ちながら運転する行為などがあとをたちません。スマホを操作しながら自転車を運転し歩行者とぶつかった事故では、歩行者が死亡するケースや重症を負うケースも散見されます。
ながら運転は、周囲の安全確認が十分にできず、重大事故を誘発します。絶対にやめましょう。
まとめ
・自転車関連事故の割合は増加傾向にある
・自転車運転時は、加害者になるリスクもある
・リスク回避のためには、交通ルールとマナーを徹底して守ることが必要
・ながら運転など、事故を誘発する行為は禁止!