女性一人の引っ越しには、家族ぐるみの引っ越しや男性の引っ越しとは違う問題があります。
それが、「隣人の話」です。
(ここでは主に、マンションやアパートのような賃貸の集合住宅に引っ越す場合を想定しています)
「壁一枚隔てたところにいるのは、知らない人」。この価値観を徹底して
マンションの部屋の中という、「自分にとっての安全地帯」のなかにいると、私たちはついつい、「壁一枚隔てたところにいるのは、知らない人」という認識を持たなくなってしまいがちです。
しかしこれは、絶対に持っていてほしい考え方です。隣の部屋にいるのは、あなたとはまったく違う価値観で、まったく違うリテラシーを持ち、まったく違う生き方をしている人なのです。
決して「安全な人」ではありません。
それほど治安の悪いところではないところに住んでいたにも関わらず、「隣りの人が怖かった」という実体験はよく耳にします。
たとえば、
「10畳もない学生寮なのに、隣の人がシングルマザーと子どもと同居するようになった。夜中でもうるさいのなんの」
「毎日真夜中に奇声を上げる人だった。女性の住人がいたのに、声は男性の声……?」
「アパートの廊下に続く窓が全面青い布で目張りされていて、挨拶もろくに返さない人だった」
などです。
「隣人への挨拶」は、やらなければいけないものじゃない
「隣人とのトラブル」の対策としてよく聞くのは、「相互理解の重要性」です。
たしかに、引っ越しのときにきちんと挨拶に来てくれる人に対しては親しみがわきますし、何かトラブルがあったときにでも話し合いで解決しようと考えるようになります。
そのため、「隣の人に挨拶をすること」は、ある意味では非常に有用です。
しかし女性の一人暮らしの場合は、必ずしもこれがよい方向に働くとは限りません。
隣人が男性で、しかもよからぬことを企んでいる人間の場合、「隣に引っ越してきたのが女性だ」ということで、押し込み強盗や乱暴目的の押し入りを考えつくことも充分に考えられます。
2008年に起きた、マンションの隣人による女性の殺害事件(このケースでは被害者の方は姉妹の方と同居されていましたが)は記憶に新しいでしょう。「隣人」が安全な人間であるという保障はないのです。
そのため、挨拶は慎重にすべきです。女性専用のマンションなどの場合、危険性は低めですが、それ以外の場合は、警戒してしかるべきです。
また、挨拶に行く際は、女性の一人暮らしだとわからないように、父親が前面に出て挨拶をするなどの方が望ましいと言えます。また、事前に、挨拶に行くべきかどうかを管理人に聞くのも一つの手です。
まとめ
・隣人は「知らない人」という意識を強く持つ
・身近なところでも、隣人トラブルは起こりうる
・挨拶をするのは大切だが、一人暮らしの女性の場合は危険なケースもある
参考サイト