2017年12月は寒冷前線が日本海側を覆ったことにより、幅広い地域で例年よりも早く雪が降り始めました。2018年1月~3月にかけても例年どおりかそれ以上の積雪が予想されており、豪雪地帯では頻繁な除雪作業が求められるでしょう。
除雪作業をする上で気を付けたいのは事故です。除雪中の事故が頻繁に発生していることから、自治体を始め多くの公的機関が警鐘を鳴らしています。今回は除雪中に起きやすい事故やケガについて解説しますので、除雪作業をする時に注意してみましょう。
転倒事故
冬場の事故で多いのが転倒です。除雪作業中は作業に一生懸命になり、足元がおぼつかなくなりやすいでしょう。転倒事故防止のためにも、除雪作業をする時はスパイク付きの靴を履くなどの対策を取りましょう。
また、除雪作業で踏み固められた雪や、溶けた雪が氷となって固まった路面はとても滑りやすいです。除雪作業を終えて家へ帰る時も、気を抜かないようにしましょう。
転落事故と落下物
雪が屋根の上に積もると、その重みで屋根が壊れる・家がつぶれる危険があります。そのため、豪雪地帯では屋根に積もった雪を取り除く「雪おろし」の作業をする機会が増加します。
雪おろしを行う時は屋根に上る必要がありますが、屋根に上る時は絶対に一人で登らないようにしましょう。なぜなら、屋根の雪が崩れる時に巻き込まれたり、屋根の上で足を滑らせて転落したりする危険があるからです。万が一事故が起こった時に少しでも早く対応できるよう、必ず二人以上で作業をするようにしましょう。
また、屋根から落とした雪によって通行人が押しつぶされる危険もあります。雪おろしをする時は複数人で声を掛け合って、周囲の安全確認を怠らないようにしましょう。
もしも転落した時や、周囲の人が事故に巻き込まれた時は、必ず医療機関を受診してください。自己判断に頼らず適切な対応を取ることによって、命に関わるケガを見抜くことができます。
凍傷
凍傷とは寒さによって皮膚や皮下組織が凍り、傷ついてしまう傷病のことです。除雪作業は寒い中で行う作業であり、凍傷を引き起こす危険があります。除雪作業を行う際は、体が冷えないように服装を工夫しましょう。重労働の作業で汗をかくことも予想されるので、下着は汗をすみやかに吸い取って発熱してくれる素材のものを選びましょう。
凍傷は溶けた雪が手袋・靴・衣服にしみることによっても起こります。除雪作業を行う際は、雪や水分がしみてこない素材の衣服を選ぶようにしましょう。着衣は防水タイプのものを選び、靴は長靴を履きましょう。素手での雪かきは凍傷やケガのリスクを高めるので、必ず防水タイプの手袋を着用しましょう。もしも凍傷になった時は、患部を暖めつつ速やかに119番へ連絡しましょう。
除雪機による事故
平成28年1月21日~24日の間に、歩行型除雪機による死亡事故が相次ぎました。そのため、消費者庁が歩行型除雪機使用に関する注意喚起を行っています。除雪機は便利な一方で、巻き込まれたり下敷きになったりすると、死亡する可能性が極めて高いです。除雪機による事故を防止するため、以下の点に気をつけましょう。
・安全装置を作動させる
・除雪機から雪をかきだす際はエンジンを停止させ、鍵を抜く
・周囲の状況を確認する
・使用前に機械のチェックを行い、正しい使い方を守る
除雪機を使用する際は、正しい使い方を守ることを徹底しましょう。
まとめ
・転倒事故防止のため、スパイク靴などで対策をする
・屋根の雪おろしを行う時は二人以上で行い、転落事故に注意する
・雪おろしの際は、必ず通行人の有無を確認する
・凍傷予防のため、体を冷やさない服装を心がける
・除雪機は正しい使用法を守り、機械の整備・チェックも怠らないこと
参考サイト
◆内閣府災害予防担当/国土交通省国土政策局地方振興課:「一人での除雪作業は危険です! 地域一斉の雪下ろしなど」
◆内閣府:「雪害対策」
◆北海道庁総務部危機対策局危機対策課:「除雪などによる被害防止について」
◆新潟県:「除雪作業中の事故にご注意ください」
◆消費者庁:「歩行型除雪機を使用中の事故に御注意ください」